2009年3月30日月曜日

永遠の安保、永遠の米軍基地、そして永遠のテロル

永遠の安保、永遠の米軍基地、そして永遠のテロル

 世界的な米軍再編に伴い、二〇〇八年十月一日、米軍の「アフリカ司令部」、AFRICOMが正式に発足した。これで六つの独立した米軍司令部が、地球をスッポリ包み込み、分割・支配する体制ができあがった。
 ブッシュが残した人類への遺産。永遠の安保、永遠の米軍基地、永遠のテロルの時代の幕開けである。⇒下の地図はペンタゴンの広報サイト、Defense Linkより。


 世界中に拡大する米軍基地。下の米軍基地の配置図をみると、ヨーロッパにおいては第二次世界の敗戦国、ドイツとイタリアが真っ黒になっているのがわかる。そして米国の戦略的同盟国、イギリス。
 世界の真ん中に、米軍基地で黒こげになったイラクとアフガニスタン。そしてイラク北西の、西洋社会とNATOへの参加にヤッキになっているトルコから、ぐるっとアジアに目を転じると、同じく第二次世界大戦の敗戦国日本、そして米国に「解放」された韓国がみえる。(地図のPDFデータはGlobal Policy Forumからダウンロードできる

 この米軍基地の世界地図が、AFRICOMの創設を突破口に、これからソマリアをはじめ、アフリカ大陸各地に広がろうとしている。

ところで、海上自衛隊がアデン湾での「護衛」活動を開始した。アラビア半島の南の国、オマーンからソマリアの北、ジプチの間を往復しながら、日本「関連」の船舶を「警備」するのだという。
 オマーンには海軍と空軍の米軍基地があり、ジプチにも米軍基地がある。これで日本の海上自衛隊は、「補給支援」活動と合わせて、インド洋からアデン湾にわたる「海賊・武装強盗」との戦いの名において、米軍の「中央司令部」CENTCOMとAFRICOMの両方と「連携」しながら展開することが既成事実化したわけである。現行憲法の下で、である。
 
 日本のマスコミの「海賊」報道。何かが決定的に欠けている。意図的ともいえる、情報操作がある。あるいは無知がある。
 PACOM、CENTCOM、そしてAFRICOM。「アジア太平洋」から「中央アジア・中東」を経て、「アフリカ大陸の東海岸」に至るまで、「多国籍軍」という体裁を取りながら自衛隊と米軍との共同作戦体制が構築されはじようとしている。問題は、これにいつ「アフリカ大陸」へ陸自の部隊の上陸が実現するかである。

 いま国連安保理では、米国が昨年十二月に提起したソマリアへの国連PKOの派遣問題の検討が進んでいる。その主力部隊および指揮は、もちろんAFRICOMが担うことになる。AFRICOMの主要な任務は、アフリカの「戦争予防」と「平和維持」活動ということになっている。そしてその軍事拠点になるのが、二〇〇二年にジプチにつくられた米軍基地である。

 ソマリアPKOへの陸自の参加。この問題が、日本のマスコミで取り沙汰されるのも、そう遠い先のことではないだろう。