2009年6月28日日曜日

麻生首相、「強固な日米同盟」へ決意?

 麻生首相が「強固な日米同盟」に向けた「決意」を示す「演説」を行うという。
 有権者の八割近くが支持をしておらず、解散権のみを印籠に権力の座にしがみつく人間が何を言っても誰も聞く耳を持たないだろう。
 しかもその「演説」とやらは、予め内容が透けて見えるような代物だ。虚しい思いを通り越して、「痛い」感じがする。

首相が30日に外交演説 強固な日米同盟へ決意
2009年6月27日

麻生太郎首相は30日に都内で行う外交政策演説で、不安定な東アジア情勢に対処するため強固な日米同盟を構築する必要性を訴え、日米韓3カ国の緊密な連携により北朝鮮の核・ミサイル、拉致問題の早期解決を目指す決意を表明する。

当初は持論の「自由と繁栄の弧」構想に基づく中央アジア各国への支援強化を演説の柱に据える予定だったが、早期の衆院解散・総選挙をにらみ内容を変更、自民党と民主党の安保政策の違いを前面に打ち出す考えだ。

民主党の政権公約(マニフェスト)に日米地位協定の見直しやアジア重視が盛り込まれる見通しとなったのを受け、「民主党では北朝鮮の核・ミサイル、国際テロといった脅威から日本を守れないと訴える方が得策」(官邸筋)と判断したようだ。地球温暖化対策や核軍縮など国際的課題で日本が主導権を発揮していく決意も示す。

首相は演説で、民主党の小沢一郎代表代行(前代表)が「米国の極東におけるプレゼンス(存在)は第7艦隊だけで十分」と発言したことをあらためて批判し、日米同盟をより高いレベルに引き上げる必要があると強調する。(共同)

2009年6月26日金曜日

アフガニスタン: 「復興支援」の欺瞞1

アフガニスタン: 「復興支援」の欺瞞1

 八月のアフガニスタンの大統領選挙を前に、「治安回復」の名の下に、アフガニスタンとパキスタン両国にまたがるタリバーン掃討戦が激化している。すでにパキスタンでは軍の公式発表で1600人にのぼるタリバーンや武装勢力が殺され、250万人ともいわれる難民がでている。

 このさなか、日本の「文民チーム」がアフガニスタンの地方復興チーム(PRT)の活動に本格的に乗り出した。けれども、全面的な内戦状況を呈するアフガニスタンにおける「復興支援」とは、いったい何のか。

 そもそも、「文民チーム」とは何か。「武装」をしなければ外務省に出向した自衛隊員も「文民チーム」に入ることになるが、「文民チーム」の定義、実態があまりに不透明だ。

 「文民チーム」と自衛隊との関係はどうなっているのか。いずれは武装した自衛隊のPRTへの派兵が目論まれており、「文民チーム」派遣はその布石にすぎないが、総選挙、イラン、北朝鮮報道にかき消され、このことがはらんでいる問題性は何も報道されていない。

 内戦、つまり戦争をやりながら「復興」する?
 いろんな嘘、欺瞞、ペテンがある。情報操作と意識操作がある。
 まずは、読売新聞の下の記事を読んで考えてほしい。  

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アフガニスタン、日本文民チームが復興支援開始
2009年6月26日 読売新聞

アフガニスタンで、地方復興の一翼を担う日本チームの活動が始まった。これまで外国の援助が行き渡らなかったアフガン中西部に、日本の文民4人が派遣された。

日本人がアフガンでの地方復興チーム(PRT)に入り、支援に参加するのは、これが初めて。国際社会貢献の新たな形となる。

◆「村の悲願」◆

褐色の丘陵に囲まれた山道を、機関銃を備えた装甲車を先頭とした6両が土煙を舞い上げて走る。泥造りの民家が並ぶ集落で停車すると、この地域で治安維持にあたるリトアニア軍の兵士7人が車外に飛び出し、警戒態勢に入った。

「OK」 停車から1分後、外に出た兵士の合図で、ワイシャツ姿の官沢(かんざわ)治郎さん(35)と、頭にスカーフを巻いた石崎妃早子(ひさこ)さん(31)が降り立った。ゴール州の州都チャグチャランから約25キロ・メートル離れたマデラサ村。日本がPRT参加で初の事業として手がける女子小中学校の建設予定地だ。2人は、外務省職員として派遣された。

村には「青空教室」しかなく、「女の子だけでも屋根の下で授業を受けさせたい」と8年前から州政府に陳情していた。これを知った日本チームは予算を検討、日本政府の承認を経て地元の民間活動団体(NGO)に建設を依頼する。

迷彩服の兵士が銃を携える姿に、官沢さんは「兵士と行動することが、住民への圧迫になっていないかという心配はある」と話すが、村の期待は大きい。村民の多くは日本を「裕福な国」として知っていたが、日本人を見るのは初めてという。村民のザイ・フセインさん(45)は「学校建設は村の悲願。日本人が来てやっとかなえてもらえる」と言う。石崎さんは「秋までに医療所建設など3か所の支援を実施したい」と意欲を語る。

◆兵士と寝食ともに◆

視察を終えた2人の帰路、車列がとまる度に子供らが集まってきた。兵士が配る菓子目当てで、奪い合いも起きた。官沢さんは「子供が単純に喜ぶものではなく、絵本を配布するなど別の方法で住民に近づきたい」と話した。

石崎さんらは、高さ約10メートルの土のうに囲まれる基地で、リトアニア軍の指揮下に入り、兵士約200人と寝食をともにする。食事などは軍が提供し、日本は文民1人当たり1日約50ドルをリトアニアに支払う。兵士は2人部屋だが、文民には1人1部屋が与えられる。トイレ、シャワーなどは共用だ。石崎さんらは、ここで約2年間にわたって、このような活動を繰り返す。

日米など7か国の国旗や国際治安支援部隊(ISAF)の旗が基地にはためいていた。ISAF兵らの死亡を意味する「半旗」だった。比較的安定しているゴール州だが、住民の襲撃事件や路上爆弾で軍車両が破壊される事件も起きている。日の丸を見上げ、官沢さんは「旗が普通に揚がったのは1日しかありません」とつぶやいた。(アフガン中西部ゴール州チャグチャランで、酒井圭吾)

民主党と安保---民主党は米軍再編を阻止できるか

米軍再編巡り激論 民主・岡田幹事長と米国防次官

民主党の岡田克也幹事長は25日午前、党本部で米国のフロノイ国防次官と会い、在沖縄米海兵隊のグアム移転や米軍普天間飛行場の移設などを巡って激しく応酬した。

会談は米側が申し入れた。同飛行場の沖縄県外移転など民主党の主張を念頭にフロノイ氏が「米軍再編を進めることは日米両国の合意だ」とクギを刺すと、岡田氏は「日米関係は64年前の過去を引きずっている」と反論。日米地位協定を巡っても「公平ではない。日米関係を長期的に安定させるために改善しなければいけない」と譲らなかった。 (日本経済新聞)

参考ブログ
マスコミはなぜ野党に対してフェアーな報道をしないのか

猫の首に鈴をつけるのは誰か---小沢発言の波紋

資料ブログ 小沢発言の波紋

2009年6月25日木曜日

アフガン米基地で虐待

「今更かよ」という感は否めないが・・・

アフガン米基地で虐待とBBC 拘束のタリバンメンバーら
【イスラマバード25日共同】

英BBC放送は24日、アフガニスタンのバグラム米空軍基地で拘束された経験のある反政府武装勢力タリバンなどのメンバー27人にインタビューした結果、同基地で殴打や睡眠妨害、犬をけしかけるなど拘束者への虐待が行われている疑いがあると報じた。

証言が事実ならば、オバマ米政権はキューバのグアンタナモ米海軍基地のテロ容疑者収容施設閉鎖を決め、過酷な尋問を禁じているだけに、処遇改善を迫られそうだ。米国防総省はBBCに対し虐待疑惑を否定した。

インタビューでは、2002年から08年に同基地で拘束された27人に同じ質問をした。窮屈な姿勢を強制されたり、水責めを受けたり、女性兵士の前で服を脱がされるなどの虐待行為を受けたことが共通していた。1人は「冬には冷水を、夏には熱湯を掛けられ、銃を頭に突き付けられて脅された」と証言。「動物にさえしないようなことを、彼らは人間に対して行った」と述べた。

2009年6月22日月曜日

ソマリア 非常事態宣言!

ソマリア:暫定政府が非常事態宣言 反政府勢力と戦闘激化
【カイロ和田浩明】東京新聞

ソマリアで暫定政府軍と急進的イスラム組織「アルシャバブ」など反政府勢力の戦闘が激化し、ロイター通信によると暫定政府は20日に非常事態を宣言、国会議長はエチオピアなど周辺国に支援の軍隊急派を要請する異例の声明を出した。AFP通信によると、首都モガディシオでは大統領宮殿の3キロまで反政府勢力が接近、戦闘を避けて数千人の住民が脱出した。

ソマリアでは5月初旬から、南部を拠点とするアルシャバブなどが暫定政府軍への攻勢を強めており、民間人を含む約300人が死亡し、12万5000人が避難民となった。18日には中部ベレドウェインでアデン治安相が自爆テロで殺害され、19日にもモガディシオ北部で国会議員が銃撃され死亡するなど、政府幹部にも犠牲が相次いでいる。ヌール国会議長は20日の声明で、周辺国に24時間以内の軍隊派遣を要請。パキスタンなど外国人勢力がアルシャバブに加わっており、周辺国の軍事支援がなければ「地域全体の問題になる」と警告した。

ソマリアには06年から今年1月まで暫定政府支援のためエチオピア軍が駐留していたが、エチオピア政府は「国際的承認が必要」(政府報道官)と慎重姿勢を見せている。しかし、エチオピア国境に近いベレドウェイン近郊の住民らはAFP通信などに「エチオピア軍部隊が近くまで来ている」と語っている。

ロイター通信によると、ケニア政府は事態を座視できないとの姿勢だが、実際に部隊を派遣するかどうかは不透明だ。ソマリア国内にはアフリカ連合(AU)の平和維持部隊約4300人が駐留しているが、政府機関や要人の警護などが主任務。毎日新聞 2009年6月21日 

海賊対処、洋上給油…増える活動 護衛艦8隻 海外へ
2009年6月21日

ソマリア沖の海賊対処、インド洋での洋上補給など、海上自衛隊の海外活動が目立っている。艦艇の交代時期となる七月には、八隻の護衛艦が海外に派遣される。有事に活動できる護衛艦の半数に当たり、本来任務の「国防」への影響を心配する声も出ている。

「護衛艦不足」の影響は既に表れており、毎年六月、米国での訓練に派遣する護衛艦は、例年の二隻から初めて一隻に減らされた。海外に出た艦艇の穴を埋める国内部隊の負担は大きい。海外活動中の護衛艦は、海賊対処二隻のほか、洋上補給、遠洋航海、派米訓練で各一隻の計五隻。海賊対処と洋上補給に当たる艦艇の交代がある七月には、重複派遣となり、八隻の護衛艦が日本周辺から離れる。

海上自衛隊は計五十二隻の護衛艦を保有している。修理、錬成、任務のローテーションが確立しているため、直接の任務に当たるのは三分の一だ。国防に不可欠な隻数のはずだが、次々に海外に送り出されている。

海外派遣の影響は、インド洋の洋上補給が始まった二〇〇一年から目立つようになった。〇二年以降、米海軍が主催する環太平洋合同演習(リムパック)に参加する護衛艦は、それまでの八隻から四隻に半減。さらにイージス艦情報の漏えい事件や「あたご」の衝突事故などの不祥事が相次いだ。

海自は昨年十二月、抜本的な改革案をまとめ、問題の背景にある「多すぎる任務と人不足」の解消を打ち出したが、その直後からソマリア沖の海賊対処が始まった。赤星慶治海上幕僚長は「海外任務は間違いなく増えている。(国防のための)国内態勢を整えていきたい」としている。北朝鮮の核実験をめぐる国連決議を受けた船舶検査でも、自民党からは「護衛艦を活用すべきだ」との意見が出ている。海自の「自転車操業」状態は続きそうだ。

2009年6月20日土曜日

ソマリア沖 活動終了見えぬまま 海賊対処法成立

ソマリア沖 活動終了見えぬまま 海賊対処法成立 第2陣に準備命令
2009年6月20日 東京新聞


自衛隊による海賊対策を随時可能とする海賊対処法が十九日成立したことを受け、浜田靖一防衛相は同日午後、アフリカ東部ソマリア沖アデン湾で活動中の海上自衛隊護衛艦と交代する第二陣部隊の派遣準備を自衛隊に発令した。同法成立で自衛隊による海賊対策は法的根拠が整ったが、活動終了の「出口」が見えないままの船出を余儀なくされる。

海賊を取り締まるべきソマリアは国家崩壊状態。今年のソマリア沖での被害はすでに昨年を上回るなど、活動は収まる兆しがない。国連などによる復興支援も進んでおらず、外務省幹部は「ソマリアが復興しない限り、派遣はいつまでも続くが、日本が復興を支援しようにも手が出せない状態」と話す。

さらに海賊対処法では、自衛隊法の海上警備行動では認められていない日本に無関係の外国船も護衛対象。武器使用基準を一部緩和し、警告射撃にもかかわらず民間船に接近する海賊船への船体射撃も認められる。麻生首相は「戦闘に巻き込まれる可能性はなきにしもあらず」と述べており、海賊との交戦の可能性をはらんだ派遣となる。 (三浦耕喜)

2009年6月19日金曜日

内戦的様相深めるソマリア情勢

自爆テロで閣僚ら25人死亡 ソマリア、急進組織の犯行
2009年6月19日

【カイロ18日共同】ロイター通信などによると、ソマリア中部ベレドウェインのホテルで18日、自動車を使った自爆テロがあり、アデン治安相を含む25人が死亡した。ソマリアでのテロとしては最悪の規模という。

ソマリアでは南部を中心とした地域を支配する急進的イスラム組織アッシャバーブと、暫定政府軍の激しい戦闘が続いており、今回のテロについてアッシャバーブ報道官が地元ラジオに犯行を認めた。アッシャバーブは国際テロ組織アルカイダとの関係が指摘され、暫定政府のアハメド大統領の打倒を呼び掛けている。

アハメド大統領はテロを厳しく非難。戦闘の指揮を執っていた治安相が死亡したことは暫定政府に打撃となりそうだ。ソマリアからの報道では、治安相は地元長老らとの会談を終え、ホテルを出るところで、同行していた暫定政府の前駐エチオピア大使も死亡した。

海賊対処法案が成立へ 年金、税制法案も
2009年6月19日

ソマリア沖などの海賊対策で自衛隊の随時派遣を可能にする海賊対処法案が19日午後の衆院本会議で、自民、公明両党など出席議員の3分の2以上の賛成多数で再可決、成立する。この後、国民年金法改正案と2009年度補正予算関連の税制改正法案も同本会議で再可決、成立。

政府、与党は、北朝鮮を出入りする船舶の貨物検査を可能にする新法成立にも意欲を見せるが、衆院解散のタイミングを控え情勢は不透明。延長国会の焦点は解散のタイミングに移る。3法案はこれに先立ち、参院本会議で野党の反対多数で否決。参院で否決された法案が衆院の再可決で成立するのは、3月の09年度予算関連4法以来で、今国会では計8本となる。

政府、与党が成立を目指す補正予算関連法案のうち日本学術振興会法改正案も19日の参院本会議で成立。改正商工組合中央金庫法は成立しており、残る日本政策投資銀行法改正案など2法案も26日成立の見通しだ。

海賊対処法案は護衛対象を日本に関係のない外国船にまで拡大し、武器使用基準も一部緩和する。成立で、政府は自衛隊法に基づきソマリア沖に派遣している海上自衛隊護衛艦などの法的根拠を切り替える方針。

国民年金法改正案は、基礎年金の国庫負担割合を現行の3分の1強から2分の1に引き上げる。09、10両年度の財源を財政投融資特別会計の「埋蔵金」で賄う。税制改正法案は、住宅投資資金を対象に10年末まで贈与税の非課税枠を500万円上乗せする。(共同)

海賊対策法根拠に7月下旬始動 自衛隊2次隊(朝日新聞)

2009年6月12日金曜日

アフガン、攻撃過去最悪に 米軍増派でさらに激化へ

アフガン、攻撃過去最悪に 米軍増派でさらに激化へ
【ワシントン11日共同】

ペトレアス米中央軍司令官は11日、ワシントンで講演し、アフガニスタンでの武装勢力による攻撃が過去1週間で400件を超え、2001年に米軍などの攻撃でタリバン政権が崩壊して以来、最悪のレベルに達したことを明らかにした。

司令官は、米軍の増派が進み、反政府武装勢力タリバンなどの掃討作戦が拡大するにつれ、戦闘が激しくなると予測し「厳しい時期が待ち受けている」と述べた。

ロイター通信はアフガンに駐留する国際治安支援部隊(ISAF)の報告書の内容として、今年1月から5月までの攻撃件数が5222件で、昨年同期の3283件から59%増加したと伝えた。

司令官によると、アフガニスタンに駐留する米軍は昨年末の3万2千人から、既に5万6千人に増強された。秋までに6万8千人になる見通しという。