2012年5月12日土曜日

イスラーム社会の変革の胎動とNGO~「イスラーム的価値」の社会的実践から学ぶ~

【〈NGOと社会〉の会 2012年連続シンポジウム】

イスラーム社会の変革の胎動とNGO~「イスラーム的価値」の社会的実践から学ぶ~

 かたくなな主義の主張と暴力、そして圧政と人権侵害・・・。
 欧米諸国や日本におけるイスラームやムスリム(イスラーム教徒)をめぐる言説は、これらの否定的なイメージに彩られています。そして、国際社会の介入・援助による「改革と民主化」が不可避であるとの思考法に私たちはとらわれてはいないでしょうか。
 しかし、こうした偏った情報への接し方や思考法によって私たちの眼から遠ざけられているものがあります。その一つが、イスラーム圏において国際的なネットワークを構築しながら、平和・開発・人権・人道支援などの分野で活動するムスリムの非政府系組織(NGO)の存在です。

 イスラーム社会の中でNGOは、今、どのような社会的役割を果たしているのか?
 また「イスラーム的価値」はその活動にどのように活かされているのか?
 そして非イスラーム圏に生きる私たちは、こうしたイスラーム社会のNGOやその活動から何を学ぶことができるのか?

 これらの問いは、さらにイスラーム世界に対する日本の「援助」政策の再考を迫る問いへと発展します。
 イスラーム社会を対象にした欧米や日本の政府開発援助(ODA)は、これまでイスラーム社会の市民組織やNGOにどれだけ目を向けてきたのか、また平和を求め、異文化との共生を志向する「イスラーム的価値」の広がりにどの程度貢献、あるいは阻害してきたのか?―――。

 〈NGOと社会〉の会では、6月と10月、法政大学国際文化学部との共催の下、これらの問いを考えるヒントを探るものとして、二回にわたるシンポジウムを開催します。ぜひ、ご参加ください。

■第一回■
「アラブの春」以後の日本のアフガニスタン支援を考える
~覇権・介入主義を超えるイスラーム社会とのつながりを求めて~


□日時: 6月16日(土) 午後2時~5時半(1時半開場)
□場所: 法政大学市ヶ谷キャンパス(JR/地下鉄 飯田橋駅下車)  58年館6階 867教室
(地図→http://www.hosei.ac.jp/gaiyo/campus/ichigaya/ichigaya.html

□講演:
「「アラブの春」以後のイスラーム社会の変容をどう捉えるか」
  臼杵陽(日本女子大教員)
「アフガニスタン社会とイスラーム文化 ~イスラーム的価値とは何か」
  レシャード・カレッド(医師。NGO「カレーズの会」理事長)
□参加費: 500円(資料代込・法政大学生は無料)

□司会: 藤岡美恵子(法政大学・大学院非常勤講師)
□コ―ディネータ: 中野憲志(先住民族・第四世界研究)

【講演者紹介】
臼杵陽(うすき あきら)
パレスチナ/イスラエルを中心とした中東地域研究。日本女子大学教授。著書に『アラブ革命の衝撃  世界でいま何が起きているのか』(青土社、2011年)、『イスラームはなぜ敵とされたのか』(青土社、2009年)など。

レシャード・カレッド
アフガニスタン・カンダハール生まれ。1969年来日。京都大学医学部卒。1993年から静岡県島田市で開業医。2002年、アフガニスタン復興支援のためNGO「カレーズの会」を設立。現地に診療所と学校を建設し、医療・教育支援を行う。京都大学医学部臨床教授。

【連絡先】
㈱新評論編集部・〈NGOと社会〉の会事務局
Tel.03-3202-7391/Fax. 03-3202-5832

■第二回■
 イスラーム社会のNGO~その多様性と実践に学ぶ


□日時: 10月27日(土) 午後2時~5時半
□場所: 法政大学市ヶ谷キャンパス(会場未定)
□発題:

・「イスラーム社会における「市民社会」の台頭:その特徴とパレスチナ問題への影響」
  イヤース・サリーム(パレスチナ・ガザ地区出身。元中部大学講師/同志社大学大学院博士課程)
・「イスラーム的慈善制度とは何か」
  子島進(東洋大学教員)
・ 「アフガニスタン社会と人びとから学んだこと――人道支援活動に関わって」
  長谷部貴俊(日本国際ボランティアセンター[JVC] )

【講演者紹介】
○イヤース・サリーム
パレスチナ・ガザ地区出身。国際援助ワーカーとして10年以上の経験を持つ。現在、トルコを中心としたイスラーム社会におけるNGOの研究を行っている。

○子島進(ねじま すすむ)
文化人類学、南アジア地域研究、イスラームと開発をめぐる問題を中心に研究。イスラーム的な価値観に根ざしたNGO活動に関心をもつ。東洋大学准教授。著書に『現代パキスタン分析―民族・国民・国家』(岩波書店、2004年。共著)など。

○長谷部貴俊(はせべ たかとし)
日本国際ボランティアセンター(JVC)アフガニスタン現地代表。日本アフガンNGOネットワーク調整員も兼務し、現地での事業運営と政府への提言活動などを行う。

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 皆様へ。
 この間、新刊本とシンポジウムの準備などによってブログが更新できませんでした。謹んでお詫びします。
 この状態は今しばらく続くかと思われますが、可能な範囲で更新にも努力したいと考えています。
 ご理解のほどをお願い致します。
 中野憲志

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・イスラム教徒攻撃は容認され得る 米軍参謀大学が講義
 米統合軍参謀大学(バージニア州)で、一般のイスラム教徒に対する無差別攻撃が容認され得るとの講義が行われていたことが17日までに明らかになった。「前例」として第2次大戦時の広島や長崎への原爆投下、東京やドイツ・ドレスデンの空襲を挙げた。 オバマ大統領は「イスラム教とは戦争しない」としているが、米軍内ではこの方針に矛盾する教育が行われていたことになる。原爆を前例にしていたことと併せ、批判が上がりそうだ。
 統合参謀本部は適切な内容ではないと認め「講義は既に中止している。米軍内の教育や訓練のカリキュラムの内容を点検する」としている。【ワシントン共同】