2012年6月28日木曜日

大飯原発敷地内で、国会議員と専門家が現地視察:報告(速報)

大飯原発敷地内で、国会議員と専門家が現地視察:報告(速報)

◆F-6断層が活断層であるかを確認するための掘削可能地点は3地点ある
◆耐震安全上重要な施設である取水路の下にF-6断層が走っている
◆掘削調査は数日で可能

国は、至急、F-6断層の掘削調査を実施すべきです
 6月27日(水)、大飯原発敷地内のF-6断層(破砕帯)再調査を求める国会議員、専門家は大飯原発敷地内で現地視察を行いました。その結果、下記の2点を確認しました。

(1)F-6断層が走っている部分について、敷地内で掘削調査が可能な箇所(現在建物などが建っていない箇所)が少なくとも3箇所あること
(2)非常用の取水路は耐震安全上重要なSクラスであり、その水路がF-6断層と交わっていること。

 このように重要な施設は、活断層の上に設置してはならないはずです。
 今日の現地調査によって、F-6断層の調査を早急に実施する必要性、および、 掘削調査は可能であり、調査箇所も具体的に明らかになりました。調査は、数日で可能であると専門家は指摘しました。
 参加した国会議員は、福島みずほ議員(社民党)、服部良一議員(同)、橋本勉議員(民主党)、三宅雪子議員(民主党)、平山誠議員(新党大地)の5名。渡辺満久・東洋大学教授(変動地形学)が同行しました。

 この視察にはおおい町住民や近隣住民、市民団体も当初同行する予定でしたが、関西電力側は立ち入りを認めませんでした。その後、国会議員、専門家、市民たちはおおい町役場を訪問。時岡正晴副町長に視察結果を伝えるとともに、下記を伝えました。

・断層がずれを起こした場合、取水路など重要な施設の破損が生じ、おおい町民のみならず広い範囲に影響を与える深刻な事故につながるおそれがある。
・国のバックチェックなどの委員会においては、F-6断層が活断層であることを示唆するトレンチ北側の図面が提示されていなかった
・このため、国の責任において、再検討および掘削調査が不可欠である。掘削だけなら数日で可能であり、結果はすぐに判明する。埋め戻しも含めれば一週間あれば十分で、すぐに実施出来る調査。

 これに対して、時岡副町長は、「国でいったん決めたこと」と回答しましたが、出席した福井の住民からは、「自分の家の下を断層が通っていると思ってください。自分の家族を守るために、国が決めたことなどということにはならないはず」「町民を守るために、動いてください」などとの声があがりました。
 なお、昨日(6月26日)保安院が福島みずほ事務所に提出した、トレンチ展開図の拡大図を、おおい町に提供しました。

2012年6月27日

グリーン・アクション
京都市左京区田中関田町22-75-103
TEL:075-701-7223 FAX:075-702-1952

美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階
TEL:06-6367-6580 FAX:06-6367-6581

国際環境NGO FoE Japan
東京都豊島区池袋3-30-22-203
TEL:03-6907-7217 FAX:03-6907-7219
・・・

「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「関西電力大飯3・4号機ストレステスト審査書提出に抗議する緊急声明」(2/14/2012)
⇒「大飯原発3、4号機「安全基準におおむね適合」?」(4/10/2012)

2012年6月21日木曜日

「震災と放射能汚染後をどう生きるのか」第1回ふくしまフォーラム(プログラム)

「震災と放射能汚染後をどう生きるのか」第1回ふくしまフォーラム(プログラム)

6/30(土)
◎10:30〜12:30:
(0)全体会(いわき市文化センター)

ゲストスピーカーの話:「避難者の生活について」「障がい者の視点から見た防災計画」「東京電力への賠償請求について」「もどる/もどれるのか〜相双地区住民のこれから」など

◎13:30〜17:00:分科会(いわき市文化センター、労働福祉会館)
 文化センター
(1)検証3.11 障害者にとっての東日本大震災
(2)もどる/もどれるのか 相双地区住民のこれから
 労働福祉会館
(3)食の安全・免疫力を高めるメニュー
(4)廃炉と除染作業に従事する労働者の被ばく
(5)東京電力への賠償請求について
(6)いかに被ばくをしないか 内部被ばく、子どもへの影響
(7)避難者の生活について、避難先での県人会結成の動きや支えあいの取り組み

7/1(日)
◎9:00〜11:30分科会(労働福祉会館)
(8)避難者支援~津波と原発事故の避難者支援の現状
(9)新エネルギー
(10)健康を守る、しかし医療・介護の人材流出をどうする
(11)放射線汚染と農業
(12)放射線についての教育をどうする
(13)避難している女性の交流会

◎11:30〜12:30
(14)全体会_各分科会の報告(労働福祉会館)

 フォーラム参加申し込み、その他詳しい情報はこちらでご覧下さい

2012年6月20日水曜日

原子力基本法改正案に軍事目的が追加

原子力基本法改正案に軍事目的が追加

 みなさま
 原子力規制庁の設置に関する法案が衆院を通って、参院に送られていることはご存じだと思いますが、何とその過程で、原子力基本法の『民主・自主・公開』の「平和三原則」を骨抜きにし、目的に、「安全保障」を忍び込ませる、原子力基本法の改正が行われようとしていることをご存じですか。

 どさくさに紛れて、日本の原子力平和利用のあり方をも根底から覆そうとする企みで、何と衆院では2時間で通してしまった、とのことです。原発が作り出すプルトニウムを持っていることが核抑止になるのだ、という議論は、自民党などから言われていましたが、ここで堂々と出てきたわけです。

 何でも、政府提出の「原子力基本法設置法案」をとりさげ、民主、自由、公明三党が提出した「原子力規制委員会設置法案」を通したとのことで、その中に、この「改正」が含まれていました。いかにも、姑息なやり方だと思えて仕方がありません。
 これについては、16日朝刊で、「可決ラッシュ」(朝日)、などと報じられましたが、メディアも気づかなかったのか、この「安全保障」問題とか「基本法改正」は、一切触れられていません

  「平和利用」というもっと議論しなければならない基本的な問題を、こんな形で勝手に崩し、なし崩しに、原発容認→核をもつ国→核武装にすすめようとする企みは許せません。会期末を迎えて、参議院でも、みんなが気づかないうちに通してしまおうという策謀は絶対阻止すべきです。

 世界平和アピール七人委員会は、ちょうど開いた18日の会合で、この問題を討議し、添付のようなアピールを発表しました。
 ぜひ、これを緊急に広めていただき、何とか「成立」などというようなことにならないよう、ご協力ください。

世界平和アピール七人委員会事務局
丸山重威(日本ジャーナリスト会議)

=======アピール=======

原子力基本法の基本方針に 「安全保障に資する」と加える改正案の撤回を求める

2012年6月19日
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野 池田香代子 小沼通二 池内了 辻井喬

 衆議院本会議は、先週の6月15日に「原子力規制委員会設置法案」を可決した。この法案は、政府が国会に提出していた 「原子力規制庁設置関連法案」に対立して自民・公明両党が提出していたものであり、この日に政府案が取り下げられて、自民・公明両党に民主党も参加した3党案として、衆議院に提出され、即日可決され、直ちに参議院に送られて、この日のうちに趣旨説明が行われたと報じられている。

 新聞報道によれば、265ページに及ぶこの法案を、みんなの党が受け取ったのは、この日の午前10時であり、質問を考える時間も与えられなかったといわれている。 世界平和アピール七人委員会は、この法案の中に、説明なく 「我が国の安全保障に資する」という文言が加えられたことについて、ここに緊急アピールを発表する。

 国会議事録はまだ公開されていないが、自民党の資料によれば、「原子力規制委員会設置法案」の第1条には、
「この法律は、・・・原子力規制委員会を設置し、・・・国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的とする。」と書かれている。

 我が国の原子力関連の個別の法律は、すべて日本国憲法のもとにある原子力基本法の枠の中で作られている。
 周知のとおり、原子力基本法の基本方針(第2条)は「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。」となっていて、歴代政府は、日本国憲法に抵触しない原子力の軍事利用ができないのは、この法律に抵触するからだとしてきた。

 しかし、「我が国の安全保障に資する」という文言は、わが国の独立に脅威が及ばぬように、軍事を含む手段を講じて安全な状態を保障することに貢献すると読む以外ない。このことに気が付いたためと思われるが、今回衆議院を通過した 「原子力規制委員会設置法案」の附則第11条は、原子力基本法の一部改正にあてられている。

 それによると、原子力基本法の基本方針に、第2条2を追加し、
「2 前項の安全の確保については、確立された国際的な基準を踏まえ、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として、行うものとする」と改定するというのである。
 「我が国の安全保障に資することを目的として、安全の確保を行う」という文言は何を意味するのであろうか。
 具体的になにを行おうとするのか全く理解できない。

 国内外からのたびかさなる批判に耳を傾けることなく、使用済み核燃料から、採算が取れないプルトニウムを大量に製造・保有し、ウラン濃縮技術を保持し、高度なロケット技術を持つ日本の政治家と官僚の中に、核兵器製造能力を維持することを公然と唱えるものがいること、核兵器廃絶への世界の潮流に反して、日本政府が米国に対して拡大抑止、 (核兵器の傘)の維持を求め続けていることを思い浮かべれば、 原子力基本法第2条の基本方針の第1項と第2項の間に、矛盾を持ち込んで実質的な軍事利用に道を開くという可能性を否定できない。

 国会決議によって、平和利用に限り、公開・民主・自主の下で進められてきた日本の宇宙研究・開発・利用が、宇宙基本法の目的に、「わが国の安全保障に資すること」を含めることによって、軍事利用の道を開いたことを忘れることもできない。
 さらに、「基本法」は憲法と個別法の間にあって、個別法より優先した位置づけがされていることを考えれば、個別法の附則によって基本法の基本方針を、討議せずに変更することはゆるされない。

 世界平和アピール七人委員会は、原子力基本法と原子力規制委員会設置法に、何らの説明なく「我が国の安全保障に資する」という表現を含めようとする計画は、国内外から批判を受け、国益を損ない、禍根を残すものと考え、可決にむけて審議中の参議院において直ちに中止することを求める。

連絡先:世界平和アピール七人委員会
事務局長 小沼通二
メール: mkonuma254@m4.dion.ne.jp
ファクス: 045-891-83
URL: http://worldpeace7.jp
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