2013年10月29日火曜日

『福島と生きる』メールマガジン 特別号No.4-1

『福島と生きる』メールマガジン 特別号No.4-1
――息長く〈福島〉とつながり続けるために――
2013年10月29日発行(不定期刊)
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インタビュー
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満田夏花さん(FoE Japan )――行政の責任を問い続け、被災者支援と脱原発の運動を広げたい

<目次>
パート1
 I 被災者の声が反映されない子ども・被災者支援法
 II 国と自治体の責任を問う
 III 対政府交渉の総括点


パート1
I 被災者の声が反映されない子ども・被災者支援法


Q1  満田さんはこの間、子ども・被災者支援法(「支援法」)の具体化を求める政府との交渉に関わってこられました。昨年6月に成立した支援法は、具体的な施策が決まらないまま1年以上もたなざらしにされていましたが、8月30日に復興庁が支援法実施の基本方針案を発表。パブリックコメントの期間は当初わずか2週間でした(抗議を受けて10日間延長)。

 基本方針の内容は被災者の声にほとんど応えていないと満田さんたちは指摘しています【※1】。子ども・被災者への支援に関するこの間の政府・自民党の対応について、またそれについてどう評価しているかお聞かせください。

【※1】「パブコメ無視の「(修正)基本方針」は遺憾」(原発事故子ども・被災者支援法市民会議プレスリリース、2013年10月10日)を参照。http://shiminkaigi.jimdo.com/2013/10/10/pressrelease/

満田  支援法の基本方針には、5,000件近くのパブリックコメントが集まり、説明会でもたくさんの切実な声があがりました。多くの人が、各地で公聴会を開いてほしい、支援対象地域を年1mSvを基準に拡大してほしい、健診を県外でもやるべき、借上げ住宅制度の長期適用をしてほしいなどの意見を表明しました。
 しかし、政府は、これらの意見に耳を傾け、支援法の基本方針の大々的な修正をするつもりはないようです【注-政府は被災者や市民団体の要望をほとんど聴くことなく、10月11日に基本方針を閣議決定した】。
 支援対象地域については、市民や関係自治体から年1mSvを根拠にせよとの強い要望が出されました。国際的な勧告や国内法令的な根拠も強いので、それを否定することは政府としては難しい。それで福島県33自治体に限るという曖昧な結論にしたのではないかと推測しています。

 現在、避難も帰還も基準は年20mSvです。民主党政権時代に帰還の基準を5mSvにすべきという議論もあったようですが、賠償や風評被害をおそれる政府や福島県が拒否したと朝日新聞が報じました。
 支援法や帰還問題について政府とやりとりしていて感じるのは、放射線被ばくが怖いから帰還したくない、線量が高いので帰還できないという住民の声を抑えるのに政府は躍起になっているということです。支援法の支援対象地域の決め方にもそれを感じました。

 支援法のもう一つの重要な柱は健康問題ですが、それに関する環境省の対応はかなり頑なでした。環境省をはじめ政府は、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)、国際原子機関(IAEA)、世界保健機関(WHO)がチェルノブイリ後に実施した調査に基づいて、甲状腺がん以外に健康への影響はないという考え方を採っています。甲状腺がん以外の健康調査は行う必要がない、福島県外で行う必要もないという頑なな態度です。

Q2  今後の支援法に関して、具体的な成果を挙げるためにどこに焦点を置こうと考えていますか?

満田  短期的には、政府は閣議決定を強行しそうで、それを押しとどめる方法はなさそうです。ただ、健診の拡大や、借り上げ住宅制度の長期延長や借り換え・新規再開は、被災者の死活問題でもあるので、そこは個別具体的に頑張ろうと思っています。健康対応については、環境省が今年度
中に有識者会議を立ち上げる計画をもっていますが、そもそもその必要があるのか、何をするのかという点が議論になっています。

 環境省は帰還する人に線量計を持たせて、個人の外部被曝量を測るという方式を考えているようです。その線量は空間線量より低く出ると言われています。健康への影響は心配ない、として健診の要求を受け流すつもりなのではないかと推測しています。県外の人にも実験的に持たせる計画で、「測ってみたら1mSv以下だったからみなさん安心してください」ということにしたいのかもしれません。

 有識者会議に放射線医学総合研究所(放医研)や東大や長崎大学の研究者など、政府と同じ考え方の人たちを入れようと考えているのでしょう。でも、それでは市民は全然納得できません。県外でも健診をやってという強い要求がある中、なんのために有識者会議を作るのかが明確ではありません。設置するのであれば、ちゃんとした専門家と被災当事者を入れてほしい、健診を行うことを決めてその具体的内容を議論してほしいと要望しています。

 住宅については、公営住宅の入居円滑化という案が出ていますが、入居可能性は不透明だし、現在、借り上げ住宅制度があるので、いまある制度を支援法の中で位置づけて活用してほしい、長期延長と借り換えを認めてほしい、新規避難者にも適用してほしいという要望を出しています。
 長期的には、被災当時者が復興庁や関係省庁・自治体と議論できる場を持てるような仕組みを作りたい。また対象地域の基準を被ばく線量年1mSvにすべきという点は言い続けるべきだと感じています。今後、外部線量計を持たせるなどして、福島県内で放射線安全論を広めようとするでしょう。

 「公衆の被ばく限度は1mSv」という認識は意外と広く人々の間に広がっています。長期的に「放射線安全論」に立ち向かうためにも、1mSvを守れと言い続ける必要があると思っています。

帰還モデルを問う
Q3  この基本方針の内容をみると、政府は住民の生活と権利を守るという、最低限果たすべき責任を果たしていないと言わざるをえません。現在の除染-帰還モデルは自治体の存続を優先していて、そこに住む住民の権利をないがしろにしています。

行政が行政としての責任を果たしていないことを、もっともっと問題化する必要があるのではないでしょうか。そのあたりをもっと具体的に追求しようという議論や動きは出ていますか?

満田  みんなが当事者だと私たちは言ってきました。この基本方針は避難者に冷たいだけでなく、住んでいる人にも決して温かくありません。放射能に関する具体的な心配に対しては、「そんなのは心の病だ」とでもいうような冷淡な対応です。健診を充実させようという内容もない。中通りや浜通りの避難区域外に住み続けながらも本当は避難したいという人にとっても冷たい方針です。

 また、具体的な内容をみてみると、帰還に向けた支援が充実しており、避難し続けるという選択肢に対する支援が薄いのがわかります。こういう点もしっかりと行政に問うていく必要があります。


II 国と自治体の責任を問う

Q4  安倍政権になってから政府の姿勢に変化は起きていますか?

満田  以前の平野復興担当大臣のときは、民主党議員の仲介で大臣と被災者の会合も実現しました。しかし、自民党政権になってからは、このように市民と政府をつなぐ動きは少なくなりました。
 また、復興庁は支援法の具体化を引き延ばしていることについて、紋切型の返事しかしなくなってきました。パイプ役の議員の数が減ったこともあって、政府の動きが見えなくなってきました。

Q5  福島県では、帰還した人に対して「寝た子を起こすな」的な雰囲気があります。自治体行政がそういう雰囲気を醸成するような役割を果たしています。福島県や自治体に対してはどういう働きかけをしているのでしょうか? また、福島県内の自治体の議員はどう考え、どう行動しているのでしょうか。

満田  私たちは、住宅借り上げの新規申し込みを打ち切らないでほしいという要求や、県民健康管理調査の関連で福島県と会合をもちました。住宅借り上げの新規申込の打ち切りは、帰還重視の考え方の反映ですね。健康調査について県の健康管理課長と話したことがありますが、福島県の住民が県や自治体と対話をもつのがベストだと思います。
 現在、公的なお金を使って放射線安全論を刷り込むような活動が行われていますが、放射線の影響が現時点で分かっていないのだから、分からないなりに専門家や医師に加わってもらって健全な議論をする場を作ればいいと思います。

住民に説明なしの避難勧奨の指定解除
 自治体当局が住民の信頼を失うような状況もあります。伊達市小国地区の特定避難勧奨地点は、2012年12月に解除されました。住民に対する説明会は開かれませんでした。実際に線量を計測すると全体に高く、局所的には10μSvを越えるところもあるのにです。特定避難勧奨地点は世帯ごとに指定され、賠償をめぐって地域が分断されたために、伊達市自身が解除を求めたのです。
全域の指定を求めるのではなく、賠償を受けられない住民の方に合わせて解除を求めた。それに対して怒っている住民もいます。伊達市に帰還する人は少ないのに、指定が解除されて賠償は打ち切られてしまいました。

 福島市の大波小学校も休校になってしまいましたが、地区でまとまって移転できていれば、小学校ごと線量が低い場所に移すこともできていたでしょうし、子どもたちもちりじりにならずに済んだと思います。もちろん簡単なことではないかもしれませんが、それにしても痛ましいです。自治体当局や市長が望む方向ではなく、むしろ逆に自治体当局が信頼を失う状況が生まれています。

 福島県内の自治体の議員の対応はいろいろです。2011年当初の避難区域設定の問題では、自治体議員さんの意見はさまざまでした。それでも、いわき市で9月20日に行われた「原発事故子ども・被災者支援法いわきフォーラム」【※2】には10人近い市議さんたちが参加していました。関心は高いと思います。

【※2】「原発事故子ども・被災者支援法いわきフォーラム」報告
http://shiminkaigi.jimdo.com/2013/09/20/iwakiforum-report/


III 対政府交渉の総括点

Q6 これまでの政府交渉の総括点を聞かせてください。どういう成果があって、どういうところに突破できない壁があるとお感じですか?

避難基準、再稼働問題
満田  20mSvの撤回や自主避難者の賠償問題については、問題を世の中に知らしめたという成果はあったと思います。学校の利用基準の20mSvを、形式上とはいえ撤回させたことは一つの成果です。自主的避難賠償については、被災者のみなさんと辛抱づよく声を上げ続け、雀の涙ほどでしたが、「自主的避難者等に関する賠償」を政府の賠償指針に入れさせたのは成果だと思います。

ただ、避難基準の見直しについてはまったく成果は上がっていません。2011年の段階で、福島市の渡利地区の問題をマスコミが報じて、避難問題に注目が集まったのは成果と言えるかもしれませんが、現実には何も動いていません。

 再稼働問題については、去年、大飯原発再稼働が問題になったころは、官邸前行動が社会現象になりましたし、たくさんの国会議員が動いてくれました。これは市民運動の成果と言えます。破砕帯の調査が始まったのも私たちの働きかけの結果だと思います。調査をきっかけに議論が巻き起こって、原発の敷地直下に活断層があるかもしれないことや、活断層の判定は非常に難しいもの
だということが知られるようになりました。しかし、ここ半年ほどはすごく難しい時期に来ていると感じています。

汚染水問題
 汚染水問題については、資源エネルギー庁が非公開で行う、議事録も公開されない秘密会議でゼネコンがプレゼンした凍土方式に国費を付けることになっています。国は「国としてとりくむ」と言っていますが、東電を前面に立てていて中途半端です。かたや、東電は死にそうになっているはずなのに、柏崎刈羽の再稼働のために3,200億円を投じると言っています。本来は汚染水対策に投じるべきです。こういう体制的な矛盾を明らかにしたいと思っています。

 私たちは、東電も国も、いまは汚染水を止めることに集中すべきだということを主張しています。私たちFoE Japanは、汚染水対策の対案を示せと言われてもできません。そしてそれは、誰にとっても難しい話しであることは理解しています。しかし、いまのように中途半端に東電にやらせて国費で補填するやり方は、汚染水を止めるためにも、透明性の点からも、責任の取り方の点からもよくないということは主張していきたいです。
  すぐに汚染水を止めるための対策の技術的議論も大事ですが、本来であれば破綻しているはずの東電を事故対策の前面に立てているので、東電はお金をケチり、汚染水対策にお金をかけなかった結果、いまの問題が起きています。この点を一緒に活動をしているみなさんとともに、主張していきたいと思っています。

Q7  今後、東京オリンピックに向けて「復興色」、再稼働必要論はますます高まり、「風化」はどんどん進むと思われます。

満田  「風化」は確かに進んでいますが、一方で汚染水問題は福島原発事故そのものに匹敵するような深刻な問題です。原発事故をなかったことにして、復興して、東京でオリンピックをやるという、現政権が思い描くシナリオは、汚染水問題でおじゃんになる可能性だってあります。

 私たちのやっている活動は、原発事故で苦しんでいる人がいることが忘れられないようにすることです。首都圏の人々に対しては、私たちが東電の電気を使ってきたのだから知らんぷりすることはできないと訴えたい。そういう意味で私たちは加害者です。また、関東に住む私たちも、福島の人たちほどではないにしても多少は被ばくしているという意味で被害者でもあります。東京でこそ、より深刻な被害を抱えた人たちを守るような行動をとっていこうと訴えています。

(パート2に続く)
(2013年10月5日、8日 インタビュアー/文責:『福島と生きるメールマガジン』)

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イベント
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◇福島・三春の“収穫祭” 2013◇
 ※収穫の秋を迎えた福島・三春では、何事も放射能測定からはじまります。何も出ないことを、そして買ってもらえることを祈りながら、一年の農作業の手じまいに忙しく働いています。「フクシマ」とは、わたしたち自身のこと。福島の不安と怒りを共有し、明日を生きる力を交換し合う「祭り」、三春・収穫祭。ぜひご参加をお待ちします。

■日程:2013年11月2日(土)~3日(日)1泊2日
■場所:福島県三春町 三春の里田園生活館   
http://miharunosato.com/index.html   
■主催:芹沢農産加工グループ/福島「農と食」再生ネット/
    滝桜花見祭実行委員会(JVC,PARC,APLA、福島「農と食」再生ネット他)
■協力:三春町/JAたむら
≪申込み締切≫ 2013年10月30日(水)
≪問合せ・申込み先≫
特定非営利活動法人APLA (吉澤)
■TEL:03-5273-8160(平日10時~17時)/FAX:03-5273-8667 
■E-mail:info@apla.jp

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『福島と生きる』メールマガジン特別号 No.4-1 (2013年10月29日発行)
※『福島と生きる』メールマガジンは、『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』の共同執筆者の団体や活動の関連情報を発信していきます。

発行人=中野憲志・藤岡美恵子
(『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』共編者)

『みんなで作るシリア展』

『みんなで作るシリア展』

 
 
 11/3(日)と11/17(日)のシリアカフェでは、『ズフラートティー』という中東の草花をたっぷり使ったハーブティーを販売します。すべてナチュラルハーブなので体にもとっても優しいそうで、シリアの知人は風邪の引き始めによく飲むと言ってました。
 また、11/3のシリア難民支援報告会にお越しの方には、ズフラートのティーバッグ1個プレゼント致します。
 
 

2013年10月28日月曜日

ルー・リード(Lou Reed) 、死す

ルー・リード(Lou Reed) 、死す

 ロックにおける芸術性や文学的な表現の可能性を切り開き、自身の特異な芸術的衝動に従うことで半世紀にも渡りロック史に影響を与え続けたルー・リード(Lou Reed) が27日死去
 英紙・ガーディアンがTwitter上でルー・リードのエージェントであるチャールズ・アーサー(Charles Arthur) に確認、死因は現在明らかにされていないが、今月肝臓移植手術を受けていた。

 1965年にヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground) を結成、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジにあるカフェ・ビザールを拠点として演奏していたところをアンディ・ウォーホルに見出されたことから、ウォーホルがプロデュース、ジャケットを手がけた歴史的アルバム「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ 」をリリース。
Lou Reed . Rimes Rhymes
Reed's official site, with information on his latest projects, a timeline, online diary and discography.

Lou Reed, Velvet Underground Leader and Rock Pioneer, Dead at 71
New York legend, who helped shape nearly fifty years of rock music, underwent a liver transplant in May
Read more: http://www.rollingstone.com/music/news/lou-reed-velvet-underground-leader-and-rock-pioneer-dead-at-71-20131027#ixzz2iz35BNvp
・ルー・リードさん死去、ロック界の伝説的存在(CNN)

2013年10月22日火曜日

民主主義社会を破壊する秘密保護法

民主主義社会を破壊する秘密保護法
2013年10月23日(水)18時45分~21時
明治大学リバティタワー12階(1125教室)
ゲスト 山下幸夫さん(弁護士)

「特定秘密保護法案」が15日から始まる臨時国会に提出される。継続審議になっている日本版「国家安全保障会議(NSC)」創設法案とセットでの成立を目指す。CIA元職員のスノーデン氏のリークで明らかにされた監視国家米国をモデルにした法案である。安倍政権は5年前から検討されてきた「秘密保全法」の名称をオブラートに包むように改称して今日に備えてきた。

法案の骨子は、防衛、外交、特定有害活動の防止、テロリズムの防止の4分野を行政機関の長が「特別秘密」に指定し、故意に漏曳したり、管理を害する行為(特定取得行為)をすれば最高で懲役10年の厳罰に処すという内容だ。罰則規定では、従来の自衛隊法や国家公務員法を超越しており、この点に批判が集まっている。

国家秘密とジャーナリズムの関係では、取材の自由が保障されるのかが議論を呼んできた。政府による法案原案は、「報道の自由に十分に配慮する」との規定を設けようとしているが、「報道の自由」を保障する米国で横行してる内部告発者狩り、記者への盗聴や監視の実態を考えれば、そのような抽象的な解釈条項を入れても、何の意味もないことは明らかだ。

10月定例会は、『秘密保全法批判-脅かされる知る権利』(日本評論社)の執筆者の一人、山下幸夫さんをゲストにお招きします。メディアだけでなく、「国権の最高機関」である国会すら骨抜きしてしまいかねない危険性について解説していただきます。

■会 場 明治大学リバティタワー12階1125教室(東京都千代田区神田駿河台1-1)
■交 通 JR・地下鉄「御茶ノ水」・都営線「神保町」下車
■費 用 ビジター1500円、会員・学生・年金生活者・ハンディのある方1000円
■主 催 明治大学軍縮平和研究所・アジア記者クラブ(APC)

■連絡先 アジア記者クラブ(APC)
〒101-0061東京都千代田区三崎町2-2-13-502
Tel&Fax:03-6423-2452 
http://apc.cup.com
E-mail:apc@cup.com ※最新の情報(変更・中止の場合があります)は、必ずHPでご確認ください。

・・・
秘密保護法案: 森担当相「処罰対象は西山事件に匹敵」
 特定秘密保護法案の国会審議を担当する森雅子少子化担当相は22日の記者会見で、沖縄返還に伴う密約を報じて記者が逮捕された西山事件は同法の処罰対象になるとの認識を示した。これに対し、密約を報じた元毎日新聞記者、西山太吉氏は「森担当相の発言は全体的な捉え方をしておらず、的外れだ」と指摘した。
 法案は機密を漏らした公務員らへの罰則強化を盛り込んでおり、森担当相は、罰則を科す取材活動に関し「西山事件に匹敵するような行為と考える」と述べた。

 ◇西山氏「違法な秘密を『秘密』にするのか
 これに対し、西山氏は「沖縄密約は憲法違反の重大な政治犯罪。政府高官が保護されるべきではない違憲、違法な秘密を『秘密』としたことは法治国家を根底から覆すことだ。政府に都合の悪いものを全部隠せる法律を認めてはならない」と話した。(毎日 内田久光)

「秘密保護法、絶対反対」=官邸前で400人アピール-東京
 政府が今国会で成立を目指す特定秘密保護法案に反対する学者や市民グループは22日午後、東京・永田町の首相官邸前に集まり、「絶対反対」「何のための法案なのか」などと廃案を求めた。
 上智大の田島泰彦教授(メディア法)の呼び掛けで約400人(主催者発表)が参加。「秘密守って民を守らず」「いらない!秘密保護法」と書かれたプラカードや横断幕を掲げ、拳を振り上げて「都合の悪いことは秘密にするな。政府は恥を知れ」などと繰り返した。(時事

2013年10月21日月曜日

「エクアドル~経済開発と、豊かな自然の間で」~11月1日講演会

「エクアドル~経済開発と、豊かな自然の間で」
ナマケモノ倶楽部駐在員・和田彩子さん講演会

2013年11月1日(金)18時半~@京都市左京区

 南米大陸に位置する赤道直下の国・エクアドルは、自然と文化の多様性、健在するコミュニティで豊かに暮らす人々の魅力にあふれています。日本からみれば地球の反対側に位置するその国と、近代的な「開発」への代替であるスロービジネス(フェアトレード)を通してつながってきた日本の市民団体(NGO)があります。その名も「ナマケモノ倶楽部」。1999年の発足以来、常に活動の原点であり続けたそのエクアドルで2002年から現地駐在スタッフとして活動する和田彩子さんが一時帰国されます。

 和田さんは同国のコタカチ郡に住み、現地の人々が開発に頼らず経済的に自立する手段としてのフェアトレードやコミュニティーづくり、同国北部のインタグ地方で人々を脅かす鉱山開発への反対運動や環境プロジェクトにも関わり、サポートされてきました。

 インタグは銅の埋蔵量が世界でもトップクラスですが、大規模な鉱山開発は森林伐採、水質汚染、地域の天候の変化や砂漠化を招きます。そこに住む人々は移住を余儀なくされ、それを受け入れるか受け入れないかで家族やコミュニティーの分断をも生み出します。環境にとっても社会にとっても持続可能とはとても言えません。

 1990年代には日本政府&企業、2000年代に入ってからはカナダ企業、そして現在はエクアドル政府がインタグの鉱物を開発しようとしていますが、多くの住民たちは反対。地元の草の根団体「DECOIN」による環境教育や反鉱山開発キャンペーンのおかげもあって、現在に至るまで地域は鉱山開発を受け入れず、一方で有機コーヒー栽培やエコツーリズム、女性グループによる手工芸品など、環境を破壊しないオルタナティブな産業に取り組んできました。
 またインタグが属するコタカチ郡も環境保全郡を宣言し、環境保全群条例を作るなど法的設備も整えてきました。そうした取り組みを、ナマケモノ倶楽部はフェアトレードによるコーヒーや手工芸品とともに日本に伝えてきました。

 エクアドルでは07年に反米左派とされるコレア政権が誕生。同国のアマゾン地域のヤスニ国立公園の中にあるイシュピンゴ・タンボコチャ・ティプティニ(ITT)地区で、国際社会から補償金を得られれば油田開発をしないという「ヤスニITTイニシアチブ」を掲げたことでも注目されました。
 ヤスニ国立公園はアマゾン流域でも最も自然が損なわれていない地区の一つで、複数の先住民族が生活。世界で最も生物多様性に富んだ地域の一つで、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)により「生物圏保護区」に指定されています。

 一方で9億2000万バレルの原油が埋蔵されていると推定され、コレア大統領は07年、油田開発を中止して推計4億トンの二酸化炭素が大気中に放出されるのを避ける代わりに国際社会から36億ドルの森林保全基金を募る計画「ヤスニITTイニシアチブ」を発表。

 国連開発計画(UNDP)が管理する信託基金に民間企業やベルギー、チリ、フランス、イタリア、スペイン、インドネシアなどが資金を拠出してきましたが、コレア大統領は今年8月、集まったのは1330万ドル(約13億円)で目標額の0・37%にとどまったとして油田開発に着手する方針を表明しました。そのヤスニ国立公園を、和田さんも今年4月に視察し、コレア政権の光と影を実感されてきました。インフラ整備や福祉を進めるコレア大統領は貧困層からの支持を多く受けていますが、一方でその政策により、人々のオルタナティブな取り組みは影響を受けてもいるのです。

 和田さんが日本に帰国されるのは7年ぶり。福島第1原発で事故が起きた東日本大震災から2年半。「成長路線」に戻ろうとする力が大きく働くなか、私たちがめざす「豊かさ」がどこにあるのか、エクアドルからの視点も交えて、一緒に考えてみませんか。

日時:2013年11月1日(金) 18時開場、18時半開演、20時半閉会予定。
場所:多目的カフェ「かぜのね」
   〒606-8204 京都市左京区田中下柳町7の2 電話:075-721-4522
   http://www.kazenone.org/modules/contents/index.php?content_id=3
参加費:資料代含めて1000円
主催:日本ラテンアメリカ協力ネットワーク
共催:ナマケモノ倶楽部
問い合わせ:電子メール:recom@jca.apc.org(日本ラテンアメリカ協力ネットワーク)

☆ナマケモノ倶楽部http://www.sloth.gr.jp/
 1999年7月に生まれたNGOで、略称「ナマクラ」。つながりを大切にする「スローな社会」を目指し、①環境運動(森林保全、多様性保持のための活動)②文化運動(低エネルギーなライフスタイルの提案と実践)③スロービジネス(フェアトレード、社会的起業の応援)の3つの柱で活動を展開しています。
 ナマクラが提案する「スロー」とは、いのちや自然、人とのつながりを大切にしていくこと。食べること、共に生きること、愛すること・・・。これらの時間は本来、効率優先ではなく、ゆっくりとしたものではないでしょうか? ナマクラは様々なイベントやセミナーを行い発信することで、「スロー」を世の中に広げ、大きな流れ「ムーブメント」をつくっていくことを目指しています。

☆和田彩子さんプロフィール
 1975年生まれ。ナマケモノ倶楽部および㈱ウィンドファームエクアドルスタッフ。1999年2月、第1回エクアドルツアーに参加、2002年より長期滞在。先住民族(キチュア民族)のパートナーと結婚し、2005年にお子さんが生まれてからは居住拠点を先住民族コミュニティに移し、家族で有機農園クリキンディを営みながら自給的な暮らしに取り組んでいます。

☆日本ラテンアメリカ協力ネットワークhttp://www.jca.apc.org/recom/
 1992年に設立。略称はRECOM(レコム)。中南米で公正な社会づくりに取り組む現地の市民運動とつながり、サポートや情報発信を続けるNGOです。主な活動地域はグアテマラで、差別と弾圧を受けてきたマヤ先住民族を中心とする市民団体が平和と民主化、人権尊重を求める取り組みを直接支援。他の国々も含めて幅広い情報を、会報誌「そんりさ」などで発信しています。

エジンバラ大学、米国無線操縦無人機の部品製造企業への投資終止

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エジンバラ大学、米国無線操縦無人機の部品製造企業への投資終止
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 英国屈指の名門大学が、米国の殺人無線操縦無人機の部品を作る軍需会社への投資120万ポンド(およそ1億8600万円)をやめることにした。理由は、この会社の事業が社会的責任を果たしていないからだという。
 エジンバラ大学は、学生やキャンペーン活動グループからの要求に従い、ウルトラ・エレクトロニクス社への投資を終止した。ミドルセックスのグリーンフォードに本社をおくこの企業は、米空軍のプレデターやリーパーなど無人飛行機向けに航行制御装置を製造している。

 こうした無人機はヘルファイア・ミサイルを搭載し、テロリストと見られるグループを標的として殺害するためパキスタン、イエメン、ソマリアへ送られている。しかし、ロンドン大学を拠点とするビューロー・フォー・インヴェスティガティヴ・ジャーナリズム(「調査報道局」2010年設立。市民に真実や情報を届けることを使命とするNPO組織)によれば、2002年以降430回以上の攻撃で、少なくとも428人の一般人が殺され、内173人は子どもであった。

 人権擁護専門の弁護士は、米国が交戦状態には無い国でこうした攻撃を行っているのは国際法違反であると主張している。ペシャワールのパキスタン高裁は、攻撃が戦争犯罪であると5月に判決を下し、現在国連によって調査が進められている。

 エジンバラ大学学友会(Eusa)、学生環境保護グループ「ピープル・アンド・プラネット」、人権擁護慈善団体「リプリーブ」は、大学に投資を止めるよう求め6月に運動を開始。情報公開請求に応じた大学の回答により、2012年末現在ウルトラ・エレクトロニクス社への投資残高は124万4672ポンドであることが明らかとなった。

 大学によると、それ以後、投資は「積極的運用」の下に行われており、投資額は約40万ポンドにまで減少した。「Eusaによって提起された問題を受け入れ、ウルトラ・エレクトロニクス社への投資を止めることにした」と、大学の広報担当者は当紙(ガーディアン)に語った。
 「我々は、社会的責任ある投資を一貫して遂行しており、ヨーロッパで国連の責任ある投資原則に最初に署名したのは、本学である。」

 エジンバラ大学は、約2億3千万ポンドの投資資産を保有する。オックスフォード、ケンブリッジに次いで3番目であり、投資先は、シェル、トタル、テスコ、モンサントなど100社以上の企業にわたる。キャンペーンを立ち上げた活動家たちは、大学の対応を歓迎し、次は化石燃料企業への投資を止めるよう働きかけている。「大学の投資を浄化する取組みは、環境責任問題まで広げることが可能であり、必要」と「ピープル・アンド・プラネット」のアンディーン・シュミット氏は述べている。

  「リプリーブ」のキャサリン・ギルフェダー氏は他の大学にもエジンバラ大学を模範として後に続くように求めた。「無人飛行機の隠密計画により、パキスタンとイエメンでは何百人もの市民が殺され、多くの人々が傷つき、トラウマの被害を受けています」と語った。
 「エジンバラ大学は、ウルトラ・エレクトロニクス社への投資をやめることで、殺戮から利益を得るような企業を非難し、社会的責任ある投資の重要性を表明したのです。」

 ウルトラ・エレクトロニクス社は、航空機の航行制御部品を製造したことを認めたが、顧客の名前は守秘義務があるとして回答を拒んだ。しかし会社のウェブサイトには、プレデターやリーパーの地上制御局に技術提供していると書かれている。
 「当社は、製品と技術を責任を持って輸出しており、国内外の輸出管理規制を厳格に遵守しています」と広報担当者は述べ、「ウルトラ・エレクトロニクス社はロンドン証券取引所に上場しており、個人でも団体でも希望に応じて自由に同社株を取引できます」と続けた。

ロッド・エドワーズ
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出典:ガーディアン(2013年9月19日)
翻訳:四季(APA‐J翻訳チーム)
翻訳チェック:HSナオコ 監修:APA‐Jデスクチーム ppsg@jca.apc.org

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ロボティック・シンポジウム
ロボット関連技術の境界線 発展する無人機の可能性と国際動向


開催日時:2013年11月8日(金) 14:00-18:30(開場13:30)
開催場所:東京ビックサイト 会議棟701+702会議室
参加費:無料(定員80名)
申し込み先:seminasanka@npo-ric.org
***件名に「ロボティック・シンポジウム参加希望」と明記し、氏名、所属先、役職、メール・アドレスを記載の上、お申し込みください。定員になり次第締切りとなります。

主催:NPO法人ロボティック普及促進センター
共催:公益財団法人川崎市産業振興財団、一般財団法人機械振興協会技術研究所、「武器と市民社会」研究会
後援:かわさき・神奈川ロボットビジネス協議会
企画運営:(株)ロボットメディア

<主なプログラム>
- 第1部 無人機の開発と実用化動向
 14:00-15:30
・報告1「実用化無人機(業務用無人機)の紹介」
大津良一(知能技術(株) 代表取締役)
・報告2「災害監視無人機システムの研究開発と実証実験」
石川和敏(宇宙航空研究開発機構航空本部運航システム・安全技術研究グループ無人機システム技術セクション セクションリーダ)
・報告3「災害対応ロボット向け通信システム等の検討」
竹内芳明(総務省総合通信基盤局電波部電波政策課長)

- 第2部 軍事用無人機の研究開発動向 15:40-16:40
・報告1「防衛省における無人機研究の取組み」
野間俊人(防衛省経理装備局技術計画官)
・報告2「諸外国の軍事用ロボットの概要」
岩永正男((一財)防衛技術協会 防衛用ロボット研究部会長)

- 第3部 軍事用無人機の国際的な制度と規範形成のトレンド 16:50-17:50
・報告1「イントロダクション:軍事用無人機をめぐる諸問題」
福田毅(国立国会図書館調査員)
・報告2「UNROCA、ワッセナー・アレンジメント、オタワ・オスロ条約からATTへ:近年の国際規範形成の経緯と背景」
夏木碧((特非)オックスファム・ジャパン ポリシー・オフィサー)
・報告3「致死性自律型ロボットの国際法規制に関する新動向」
岩本誠吾(京都産業大学法学部教授)
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・・・
【米英無人機攻撃】市民の巻き添えを止めよ (高知新聞 10/20)
米無人機攻撃、パキスタンでは市民400人超が犠牲に=国連調査(ロイター、10/18)


批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒2013年7月17日 ヒューマノイド兵士開発・研究の現段階 
⇒2013年4月3日無人爆撃機(drones)廃絶と武器貿易条約(ATT)を考えるための基礎的情報

2013年10月18日金曜日

これ以上海を汚すな!漁業者と市民交流会

10/25
<福島第1原発>排水溝3地点から過去最高値の汚染水
 東京電力は25日、福島第1原発の外洋につながる排水溝の3地点で採取した水から、1リットル当たり2500~2900ベクレルの放射性物質を計測したと発表した。数値はいずれも過去最高外洋との間に土のうなどの仕切りはなく、外洋に流出しているとみられる。

 3地点は8月に300トンの汚染水漏れが判明したタンク群の近くで、24日に採取。 最も海に近い採取地点は排水溝出口から150メートルで、1リットル当たりの数値は海に近い方から
▽2500ベクレル(過去最高1900ベクレル)
▽2900ベクレル(同2000ベクレル)
▽2500ベクレル(同2300ベクレル)。
 東電は「降り続いている雨の影響で、放射性物質を含む水が排水溝に流れ込んだ可能性が高い」と説明している。(毎日)

10/24
 東京電力は24日、福島第1原発の汚染水を貯蔵する地上タンクで約300トンの漏洩があった「H4北」エリア付近の排水溝で23日に採取した水から、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり最大14万ベクレル検出されたと発表。
 過去最高値だった22日採取分の5万9千ベクレルから約2.4倍上昇。
 
10/23
汚染水:排水溝から5万9千ベクレル 過去最高値上回る
東京電力は23日、福島第1原発の汚染水を貯蔵する地上タンクで約300トンの漏えいがあった「H4」エリア付近の排水溝で22日に採取した水から、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり最大5万9000ベクレル検出されたと発表した。過去最高値だった17日採取分の3万4000ベクレルを上回った
排水溝は海の汚染拡大防止のため、測定地点の下流を土のうでせき止めている。東電は放射性物質が付着した周辺の土壌などが、雨で流れ込んでたまっていることが上昇の原因とみている。(共同)

10/22
衆院予算委: 首相改めて「汚染水は完全にブロック」
 「安倍晋三首相は22日の衆院予算委員会で、東京電力福島第1原発の汚染水問題について「モニタリングをして(放射性物質の)基準値をはるかに下回っている。汚染水の影響は、完全にブロックされている」と述べ、海洋への影響を否定した・・・」(毎日より) 
 
港湾外から再びセシウム 沖合1キロ最高値 福島第一
 「東京電力は二十二日の定例会見で、福島第一原発の港湾外の海水で放射性セシウム137が一リットル当たり一・六ベクレル検出されたことを明らかにした。原発の沖合約一キロ地点。八月に調査を始めて以来、検出は二度目で最高値となる。汚染が港湾外の外洋に継続的に広がっている可能性があり、国内外で懸念が強まりそうだ。

汚染水の海洋流出をめぐっては、安倍晋三首相が九月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で「港湾内〇・三平方キロの範囲内で完全にブロックされている」とアピールした。 しかし東電は今月十日、「港湾口東側」と呼ばれる同じ調査地点で、セシウム137が一リットル当たり一・四ベクレル検出されたと発表した。今回、再び検出されたことで首相発言との整合性があらためて問われることになる・・・。」(東京新聞より
 
10/21
台風27号でも直接排出か 汚染水タンクせき内の水
 東京電力は21日、福島第1原発の汚染水タンク群を囲む漏えい防止用のせきから排出基準を超える放射性物質を含んだ雨水があふれた問題で、今週中にも接近する恐れのある台風27号に対策が間に合わない可能性があるとして、これまでと同様に緊急時には基準を下回る水をせきから直接排出する考えを示した。(共同)
 
・「福島第1原発の汚染水タンクを囲む12カ所のせきから雨水があふれ出た問題で、このうち7カ所で、放射性物質の濃度がせきの外に排出可能な基準を上回っていることがわかった。
 福島第1原発周辺では20日、激しい雨に見舞われ、汚染水タンクを囲む12カ所のせきで、雨水が外にあふれ出た
 そのため、せきの中にたまっていた雨水を東電が調べたところ、12カ所のうち7カ所で、放射性物質の濃度がせきの外に排出可能な基準を上回っていたという。最も高いもので、ストロンチウム90が、1リットルあたり710ベクレル(Bq)検出されていて、基準の70倍以上だった。
 汚染された雨水は海へ流出した可能性があり、東電は海水の調査をしている」
FNN
 
-東電は21日、あふれたのは23区域中11区域に上り、うち6区域の水が排出基準を上回る放射性物質を含んでいたと発表。
-今回、あふれた雨水を分析したところ、6区域でストロンチウム90が同710〜10ベクレル含まれ、排出基準を上回っていた。
-最大値の710ベクレルは、8月に汚染水約300トンが漏れた区域の西隣にある「H2南エリア」。放射性セシウムはすべて検出限界値未満か基準を下回っていた。(毎日新聞より)
・・・
 
 
10/20
せきの水5カ所であふれる=過去に排出基準超の場所も-福島第1
東京電力は20日、福島第1原発で放射能汚染水を貯蔵するタンク群の5カ所で、せき内の水が降雨で増加し、あふれて流出したと発表した。うち少なくとも3カ所では、東電が定めたせきの水の暫定排出基準値を上回る放射能濃度が測定されたことがある。
 東電によると、流出した水の総量は不明。今回あふれた場所で、9月に測定した際に最も濃度が高かった所は、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり2万9000ベクレル検出されていた。(時事
・・
-「20日午後4時半ごろ、福島第一原発の1号機から4号機の山側に当たる西側や南側の5か所で、汚染水を貯蔵しているタンクを囲う「せき」から水があふれているのが相次いで見つか」る。
-「福島第一原発の北側にある浪江町では、午後3時から4時の1時間で32ミリの雨量が、午後2時から5時の3時間では合わせて65ミリの雨量が観測」。
-福島第一原発では、今月初めに台風が接近した際、せきの水があふれたり、余裕のないタンクに水を入れ過ぎて汚染水が流出したりしたほか、台風26号が接近した今月16日には、タンクを囲う「せき」9か所で、放射性物質の濃度を測ったうえで原子力規制委員会が認めた基準を下回ったとして敷地内に放出。(NHKニュースより)

原発事故対応「なぜ税金」 福島・前双葉町長が講演
 東京電力福島第1原発事故当時、福島県双葉町長だった井戸川克隆氏が19日、大阪市で講演し、脱原発への思いとともに「なぜ東電が起こした事故なのに、税金が使われるのか。国が下請けになっている」と政府の対応を疑問視した。
 今後のエネルギー政策に関し「原発と付き合うのは無理だ」と強調。脱原発実現に向け、太陽光の屋内照明利用や公共施設の照度基準を引き下げるべきだと訴えた。
 井戸川氏は事故直後、町民の県外避難を決断し、埼玉県に役場機能を移転した。(福島民報
 
・・
10/18
・トリチウム79万ベクレル=漏出タンク北の井戸水-福島第1
東京電力は18日、福島第1原発で放射能汚染水300トンが漏れたタンク北側の観測井戸から、1リットル当たり79万ベクレルのトリチウムが検出されたと発表した。
 前回の測定から3倍以上に上昇した。この井戸では、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が同40万ベクレル検出されている。
 
排水溝1800ベクレルに上昇=福島第1 
東京電力は18日、福島第1原発の海まで約300メートルの排水溝で、17日に採取した水からストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質を1リットル当たり1800ベクレル検出したと発表した。16日採取分の同1400ベクレルから上昇しており、2日連続で最高値を更新した。
時事
 
漏えいタンク付近で40万ベクレル 6500倍以上に上昇 福島第1
東京電力は18日、福島第1原発で高濃度汚染水が漏れた地上タンクの観測用井戸で、地下水からストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質を1リットル当たり40万ベクレルの濃度で検出したと発表した。水は17日に採取したもので、16日分の61ベクレルから6500倍以上に上昇し、この井戸での最高値。
 井戸は、8月に約300トンの高濃度汚染水漏れが判明した「H4」エリアのタンクから北に約20メートルの場所にあり既に放射性物質のトリチウムが最高で32万ベクレルの濃度で検出されている。今回の濃度上昇で、汚染水漏れの地下水への影響があらためて示された。
 東電は「タンクからの新たな漏えいはない」とした上で比較的早く移動するトリチウムに続いて、ストロンチウム90などが時間をおいて井戸に到達したとの見方を示している。台風26号による大雨の影響もあるとしている。(産経
・・ 
 
台風で放射性物質流入か 福島第1、排水溝の濃度が急上昇
 東京電力は17日、福島第1原子力発電所の港湾外の外洋に直接つながる排水溝の水から、ストロンチウム90などのベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり最大2300ベクレルの濃度で検出されたと発表した。水は台風26号で大雨が降った16日に採取。15日までに採取した水に比べ、濃度が急上昇した。
ベータ線を出す放射性物質の半分を占めるストロンチウム90の法定基準は30ベクレル。排水溝を通じ外洋に流出したとみられるが、政府・東電は海水で希釈されるため環境への影響はないとしている。

東電は「原発事故での地表面への降下や地上タンクからの汚染水漏えいで、土壌に付着した放射性物質が雨水で排水溝に流入したことが原因とみられる」と説明。16日に一部の地上タンク群のせきから排出した雨水は濃度が低いため、影響していないとの見方を示した。
 海に接する排水溝出口まで約150メートルの測定地点では1400ベクレルだった。同地点の15日採取分は19ベクレルだった。
また、17日朝、海洋流出を防ぐために1、2号機の東側護岸の「ウェルポイント」という設備でくみ上げた汚染水が、一時貯留用の小型タンクからあふれた。水があふれても井戸に戻る仕組みになっており、海洋流出はないという。(共同)

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安倍首相:今後も原発推進と原発輸出推進の意向 参院代表質問
 安倍首相、18日の参院本会議の代表質問。
 「東京電力福島第1原発事故の経験と教訓を世界に共有することにより、世界の原子力安全に貢献していくことがわが国の責務だ。相手国の意向や事情を踏まえつつ、技術を提供していく」
 「原発停止で石油など化石燃料への依存を高めている。3兆円以上の燃料輸入費の増加や電力料金の上昇という形で、国民生活や経済が大きな影響を受けている」(毎日より

2013年10月15日火曜日

『福島と生きる』メールマガジン第11号

『福島と生きる』メールマガジン第11号
――息長く〈福島〉とつながり続けるために――
2013年10月15日発行(不定期刊)
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―目次―
◆イベント情報
◆キャンペーン・活動情報
◆保養情報
◆ニュースクリップ
◆予告
◆編集後記

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◆イベント情報(イベント情報は変更されることもあります。必ず主催者サイトでご確認下さい)
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1.「減容化? ちょっと待った!放射性ゴミ焼却を考える学習会」
  10月20日(日)13:30~16:30 (郡山労働福祉会館3F大ホール)
  ※国は除染を加速化し、廃棄物を効率的に減容化するため、県内のあちこちに減容化施設設置を進めています。二次被ばくのピンチです。
  ※講師:藤原寿和(3.26政府交渉ネット、廃棄物処分場問題全国ネット
       ワーク共同代表)
  ※主催:放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会
  ※共催お問い合わせ: 原発いらない福島の女たち(080-4518-7368)
  ※詳細: http://onna100nin.seesaa.net/

2.「福島の今を知り、私たちの未来を考えるたび」第4弾
  ○りんごの収穫 11月2日(土)-3日(日) 
   かーちゃんの力プロジェクトの受け入れでりんごの収穫手伝いなど。※詳細: ツアーサイト 

3.「ふくしまオーガニックフェスタ2013」
  11月23日(土)(郡山市「ビックパレットふくしま」展示ホールB)
  ※農産物販売のほかに、放射能とくらしを考えるシンポジウム、農家による放射能低減のとりくみのパネル展などさまざまな企画が行われます。  ※詳細はこちら 

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◆キャンペーン・活動情報
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1.【子ども・被災者支援法基本方針】 緊急プレスリリース
  「パブコメ無視の「(修正)基本方針」は遺憾」
  原発事故子ども・被災者支援法市民会議(2013年10月10日)
  ※「子ども・被災者支援法基本方針」(10月11日に閣議決定)は多くの被災当事者や支援者の意見や、待ち望んでいた具体的な要望は、一切反映されていません。  ※全文はこちら 

2. 「まつもと子ども留学」発足
  原発事故から2年以上の歳月が経過した今も、不透明な状況の中で、育ち盛りの子どもたちにとって制約の多い暮らしが続いていることが危惧されます。「まつもと子ども留学基金」は、被災地の子どもたちが安心して生活し、遊び、勉強する場所づくりを目指して、信州松本の地で留学プロジェクトを立ち上げました。
 ☆概要☆
 自然の恵み豊かな長野県松本市の北部四賀地区。ここに寮を設けて生活し、地元の学校に通学します。寮にはスタッフが常駐し、子どもの身の回りの世話をします。また、保護者の方は勿論、地域の人たちとの関わりを大切にし、地域と一緒になって子どもたちを育てていきたいと考えています。
 ☆運営団体☆

 特定非営利活動法人「まつもと子ども留学基金」 (NPO法人申請中) 
 説明会、現地見学会その他詳細はブログ(順次更新予定)をごらんください。

3.「原発いらない福島の女たち」2014年度版カレンダー予約受付中
  ※売上は「女たち」の活動資金になります。カレンダーで「女たち」を支えてください。詳細はこちら 

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◆保養情報
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 ほよーん相談会
  子どもローテーション保養のデータベース。全国各地の保養情報が掲載されています。全国の避難者支援団体の情報もあります。  サイトはこちら 

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◆ニュースクリップ
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1.東日本大震災:福島第1原発事故 被災者支援法、大枠維持
  「当事者の声聞け」官邸前でNGO抗議
  毎日新聞 2013年10月12日 東京朝刊
  http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20131012ddm041040028000c.html
 
 11日の閣議で決定した東京電力福島第1原発事故の被災者を支援する「子ども・被災者生活支援法」の基本方針。復興庁は8月に基本方針案を公表した後、パブリックコメントの意見などを反映し、9カ所を修正したが、支援対象地域を福島県東部33市町村に限定するなどの大枠は維持した。意見を寄せた被災者支援団体や、支援対象に指定するよう求めていた自治体などからは「法律の趣旨をねじ曲げている」「あまりに不透明だ」などと厳しい批判が上がった。(中略)
 復興庁はパブリックコメントで寄せられた主な意見と、見解をホームページで公表した。復興庁によると、寄せられた4963件のほぼ全部が批判的な内容で、評価する意見はわずか2件だった。
(後略)

2.福島除染・帰還目安線量 算出精度に疑問
  東京新聞、2013年10月13日
  http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013101302000097.html 
 東京電力福島第一原発事故で汚染された地域で、家が放射線を遮る効果を、国がまるで環境の異なる場所の調査で計測した値を基に、算出していたことが分かった。放射線量は除染や住民帰還の目安になるが、この算出方法ではデータのばらつきが大きく、専門家も精度を疑問視している。 (後略)

3.福島・双葉町でボーリング開始 環境省、中間貯蔵候補地
  共同通信、2013年10月11日
  http://www.47news.jp/CN/201310/CN2013101101002211.html 
 環境省は11日、東京電力福島第1原発事故による汚染廃棄物を保管する中間貯蔵施設をめぐり、建設候補地の一つの福島県双葉町でボーリング調査を始めたと発表した。 環境省はほかに候補地としている同県大熊町と楢葉町で既に調査を終え、9月下旬に施設の建設は可能と判断。双葉町でも同様に建設が可能かどうか調べる。 中間貯蔵施設の建設見通しが不透明なことは、除染が進まない理由の一つとなっている。
 環境省は2015年1月の使用開始を目指しており、候補地で建設可能と判断した町とそれぞれ合意できれば、来年度予算に建設費用を盛り込みたい意向。

■■予告■■
◎FoE Japanの満田夏花さんインタビュー
 子ども・被災者支援法や、原発汚染水・再稼働問題をめぐる対政府交渉に、市民側の中心メンバーの一人として関わっている満田さんに、これまでの運動の評価や、今後、被災者支援・脱原発運動を広げていくために何が必要か、一人一人が何ができるかを聞きました。『福島と生きる』メールマガジン特別号No.4(10月末を予定)としてお届けします!


■■編集後記■■
 被災者の一年半にわたる訴えも、5千件のパブリックコメントも、多くの自治体首長の要望も無視して、子ども・被災者支援基本方針案が閣議決定された。国策で推進してきた原発がこれだけの大事故を起こしたのだから、住民の健康不安の声に応え、避難した人、とどまった人を問わず、生活を、人生を一変させられた人々の不安と困難を少しでも減らすべく対策をとるのが当たり前なの
に、その当然の期待にすら応えない政府。
 これは福島だけの問題ではない。 将来、同じような事故が起きれば、同じように住民の声は無視されるだろう。住民の命と生活を守らない官主導の政治と統治のあり方を変えなければ、この国の未来に希望はない。

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『福島と生きる』メールマガジン第11号(2013年10月15日発行)
※『福島と生きる』メールマガジンは、『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』の共同執筆者の団体や活動の関連情報を発信していきます。
発行人=中野憲志・藤岡美恵子

2013年10月4日金曜日

とどろかせよう!アイヌ、沖縄・琉球の声

とどろかせよう!アイヌ、沖縄・琉球の声
─世界に認められた先住民族の権利をもとに─」(10/21,東京)

2007年、先住民族の権利に関する国連宣言が採択され、翌年には日本政府がアイヌ民族を日本の先住民族と認めました。現在アイヌ文化の保護促進の取り組みがなされているものの、民族の権利回復は遅々としてすすんでいません。また、「沖縄/琉球民族は先住民族だ」という主張に関して、日本政府は国連の勧告にもかかわらず、認めていません。

日本の先住民族が抱える問題を、先住民族権利宣言や人種差別撤廃条約など国際的な人権基
準から見るとどのように見えるのでしょうか。来年秋には、国連本部で特別総会として世界先住民会議が開催されます。北海道と沖縄から、長年国連でそれぞれの権利を訴えてきたお二人を招いてお話を伺い、その声に連なり、広くとどろかせていく集会にしていきたいと思います。

どなたでも参加できます。お気軽にご参加ください!

◆日時:2013年10月21日(月)午後6時半~8時半
◆場所:松本治一郎記念会館5階会議室(東京都中央区入船1-7-1 )
 http://imadr.net/about/access/
 地下鉄日比谷線、JR京葉線・八丁堀駅 A2出口より徒歩3分
 地下鉄有楽町線・新富町駅 5番出口より徒歩7分

◆内容                 
司会:木村真希子(市民外交センタ─副代表)
・「先住民族として文化だけではないアイヌ民族の権利回復を
 阿部ユポ(アイヌ民族評議会会長・北海道アイヌ協会副理事長)
・「沖縄と大和(ウチナーとヤマトゥ)ウチナーグチとヤマトゥグチそしてチナーンチュとヤマトゥー
 当真嗣清(琉球弧の先住民族会代表代行)
コメント:上村英明(市民外交センター代表)
質疑応答・意見交換

◆参加費:500円(主催団体会員、学生無料)
◆主催:人種差別撤廃NGOネットワーク、アイヌ民族評議会、琉球弧の先住民族会(AIPR)
 市民外交センター、反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)
◆賛同:「国連・人権勧告の実現を!」実行委員会
◆連絡先:反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC) 
 〒104-0042 東京都中央区入船1-7-1
 Tel:(03)6280-3101 Fax:(03)6280-3102 
 E-mali:yhara[at]imadr.org(担当:原)

※この集会は「国連人種差別撤廃委員会日本審査に向けたSTOP!レイシズムなくそう!日本の人種差別」集会シリーズの一環として行なわれます。
チラシは以下をご覧ください。http://imadr.net/ainuryukyugathering/