2014年1月30日木曜日

市民科学研究室よりのイベント案内

市民科学研究室よりのイベント案内
http://www.shiminkagaku.org/


・2月8日(土)
高木学校 第17回市民講座
「原発事故 - 放射線被ばくと老化の促進」
http://takasas.main.jp/event_140208.php

・2月9日(日)
人骨発見25周年企画
「七三一部隊員は語る」
http://blog.goo.ne.jp/hainan-net/e/ad760a74cfd1e34fad7810060c371f7d

・2月22日(土)
電磁波とリニア新幹線問題
http://www.cnic.jp/5556

・2月22日(土)
日本医師会総合政策研究機構・日本学術会議共催シンポジウム
「福島原発災害後の国民の健康支援のあり方について」
http://www.med.or.jp/people/info/seminar/001331.html

・3月1日(土)
福島原発事故 被害者証言集会
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/2014/01/blog-post.html

・3月1日(土)
第五福竜丸60年の記念のつどい
http://d5f.org/event.htm

・『遺言 原発さえなければ 福島の3年間─消せない記憶のものがたり』上映会
http://yuigon-fukushima.com/

2014年1月25日土曜日

国連・人権勧告の実現を!─すべての人に尊厳と人権を─ (1/25 東京)

国連・人権勧告の実現を!─すべての人に尊厳と人権を─ (1/25 東京)

 日本の人権状況について、国連の人権条約機関から相次いで勧告が出されています。昨年12月14日に行われた「国連・人権勧告の実現を!─すべての人に尊厳と人権を─」集会では、指摘されている日本の人権課題の解決を求めるキャンペーンを進めていくことになりました。
 その一環として、1月25日に東京・代々木公園で集会を開き、渋谷周辺でのデモンストレーションが行われます。
 安倍政権下の反動的な人権政策をただし、多民族・多文化共生社会と人権確立をめざす上で、このキャンペーンは重要な役割を持っています。多くの方の参加を呼び掛けます。

日時:1月25日(土)13:30~集会開始  15:00~デモ出発
場所:東京・渋谷区「代々木公園野外ステージ」  (JR「渋谷駅」「原宿駅」下車)
    地図 http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/facilities039.html
内容:発言 
田中宏(のりこえネット共同代表)、ましこりか(原発避難者)、今村登(DPI日本会議)他、
女性、移住労働者、被差別部落、沖縄問題などの関係団体からのアピール

デモ:代々木公園→渋谷駅→神宮通公園
呼掛け:「国連・人権勧告の実現を!」実行委員会 (電090-9804-4196長谷川)

■詳しくはこちら http://jinkenkankokujitsugen.blogspot.jp/
 

再稼働を許すな! 原発立地県報告集会 (2/4 東京)ほか

再稼働を許すな! 原発立地県報告集会 (2/4 東京)ほか

 昨年7月の原子力規制委員会による「新規制基準の導入」により、9原発16基の原発が新規制基準の適合性に係る審査を申請しています。そのうち、高浜原発(福井県・関西電力)の審査が夏までに終わる見通しが立ったことで、原発再稼働の可能性が高まってきたといえます。
 再稼働を許さない闘いを進めていくため、各原発の状況を報告する集会を開きます。どなたも参加出来ます。

日時:2月4日(火)18:30~
会場:千代田区神田駿河台「連合会館」5階501会議室
   (地下鉄「新御茶ノ水」「淡路町」「小川町」、JR「お茶の水」下車)
    地図 http://rengokaikan.jp/access/
内容:北海道、福井、愛媛など原発立地県からの状況報告、各地アピール
主催:原水禁(電03-5289-8224)

■詳しくはこちら http://www.peace-forum.com/gensuikin/katsudou/140204yotei.html

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高レベル放射性廃棄物の最終処分を考える東京集会 (2/3 東京)

 北海道・幌延町で研究している「核のゴミ(高レベル放射性廃棄物)」の 「地層処分」は、「核兵器物は持ち込まない」という約束になっています。しかし、政府は最終処分候補地選びの「文献調査」の申し入れを行おうとしています。このままでは、幌延がなし崩し的に最終処分地にされかねません。「地層処分」を止めさせ、「核のゴミ」問題を考える東京集会を2月3日に開きます。

日時:2月3日(月)18:30~
会場:東京・千代田区 日比谷公園内「日比谷図書文化館・ホール1
   ((地下鉄「霞ヶ関駅」「日比谷駅」) ※地図 http://hibiyal.jp/hibiya/access.html
内容:幌延現地報告、北海道全体の取り組みと要請、その他アピール
主催:北海道平和運動フォーラム、原水禁、原子力資料情報室ほか
連絡先:原水禁(電03-5289-8224)

■詳しくはこちら http://www.peace-forum.com/gensuikin/katsudou/140203yotei.html

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電磁波とリニア新幹線問題 (2/22 東京)

 私たちの生活には、電気と電化製品は欠かせないものとなっています。しかし、電気・電化製品から「電磁波」と呼ばれる光の波のようなものが常に出ていて、健康影響が問題となり、諸外国では厳しい規制が行われています。
 「電磁波」とどのようにつきあっていけばいいのかを考え、大量のエネルギーを必要とする「リニア中央新幹線」計画が本当に必要なのかを考えます。

日時:2月22日(土)13:30~16:30
会場:東京・千代田区 日比谷公園内「日比谷図書文化館・ホール1
   (地下鉄「霞ヶ関駅」「日比谷駅」) ※地図 http://hibiyal.jp/hibiya/access.html
講師:荻野晃也さん(元京都大学工学部、電磁波環境問題研究所)
資料代:500円
主催:原水禁、再処理いらない!首都圏市民のつどい、反原発出前のお店、日本消費者連盟、 原子力資料情報室、高木学校、リニア・市民ネット
連絡先:原水禁(電03-5289-8224)

■詳しくはこちら http://www.peace-forum.com/gensuikin/katsudou/140222yotei.html

・・・
・玄海原発運転停止請求訴訟:「脱原発、廃炉願う」 
 初弁論で原告側 /佐賀
 国の原子力規制委員会による安全審査が進んでいる九州電力玄海原発(玄海町)3、4号機について、脱原発を訴える市民団体が原子力規制委に対し、国の基準を満たしていないとして再稼働しないよう九電に命じることを求めた行政訴訟の第1回口頭弁論が24日、佐賀地裁(波多江真史裁判長)であった。国側は全面的に争う姿勢を示した。
 原告側は市民団体の石丸初美代表が意見陳述で「国民の声を受け止め、原発再稼働をやめ、脱原発、廃炉へと政府が政治判断することを願っている」などと訴えた。

 訴状では、3、4号機に関して、地震が起きた際の津波の高さと耐震重要施設の安全性を調べるために必要な最大の揺れを想定する「基準地震動」について、それぞれ別の計算方法を適用していると指摘。「津波の方法で計算すれば、耐震重要施設の安全性は成り立たない」と主張している。原子炉等規制法に基づき、原子力規制委に九電への運転停止の命令を求めている。【春田周平 毎日新聞 地方版

・原発新規制基準を評価 県議会原子力特委
 佐賀県議会原子力安全対策等特別委員会が24日開かれ、北海道大大学院の奈良林直教授が参考人として出席し、原発の新規制基準について、福島原発事故を踏まえた過酷事故への多重防護対策が取られていると評価。地球温暖化防止などの視点から、原発の再稼働の必要性を指摘した。
 奈良林氏は福島原発事故に関し、データを提示しながら地震で主要な配管などの損傷はなかったとの認識を示した上で、新規制基準は電源の確保や注水手段など過酷事故に備えた多重防護の考え方に立っていると説明。フィルターベントなど猶予期間を設けている対策については「欧米でも、運転しながら十分な対策期間を設けて対応している」として、問題はないとの考えを示した。

 ただ、規制委員会の書類を中心とした審査や検査体制については「検査対象が間違っている」と問題視。「書類の山ではなく、実際のプラントを見て検査する体制に改めるべき」と指摘した。
 玄海原発3、4号機の審査終了の見通しについては基準地震動の見直しを求められていることなどを踏まえ、「夏は難しく、秋口になるのではないかと思っている」との認識も示した。 (佐賀新聞

2014年1月23日木曜日

第二回シリア人道支援会合 「ジュネーブ2」に向けた要請書

第二回シリア人道支援会合「ジュネーブ2」に向けた要請書

2014年1月20日
外務大臣
岸田文雄殿

 
  我々日本の市民および市民団体は、あらゆる暴力による解決を否定します。
 ジュネーブ2に参加する日本政府に、自らの国益のみに左右されず、中立的な立場に立ち、シリアの市民の平和のために、紛争を解決するイニシアティブをとること、必要とされる人道支援を適切に行うことを求めます。
 そのために、我々は日本政府との継続的な対話の場を設けることをお願いします。

1) シリア政府、反政府勢力が会議に参加するように外交的な調整を行う。
2) シリア内戦の当事者たちが停戦合意に至るように取り組む。
3) 国際社会の一員として、国連による停戦を監視するメカニズムの導入と維持に尽力する。特に、国際社会の軍事介入および武器の供与を停止させること。

 4) シリアの統治メカニズムを民主的な方法で構築するため、国際社会の監視下で、公正な選挙の実施を支持する。
5) 人道に反する罪、戦争犯罪などが公正な裁判で裁かれることを支持する。
6) 内戦は、レバノンや、イラクなどにも悪影響を及ぼしており、地域的和平の取り組
みも支援する。

以上

 (社)命・地球・平和産業協会(LEPIA)
イラク戦争の検証を求めるネットワーク
シリア支援団体 サダーカ
(特活)日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)
(特活)日本救援行動センター(JARC)
(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)

2014年1月22日水曜日

「ノーマークだった阪神淡路大震災の教訓」 生死を分ける地震の基礎知識

「ノーマークだった阪神淡路大震災の教訓」
マークしていなかったところで大地震が起き続けている。
現在の地震学のレベルでは、次に大地震がどこを襲うかは、まったく予想できない
警戒せよ! 生死を分ける地震の基礎知識 その35
島村英紀(地震学者)
                        
○兵庫県南部地震が関西を襲ってから、今日1月17日でちょうど19年になる。阪神淡路大震災を起こした地震だ。5000人近くがなくなった1959年の伊勢湾台風を最後に、犠牲者が1000人を超える大きな自然災害が約半世紀の間なかった。そのあと突然襲ってきた大災害だった。
 6400人以上の犠牲者を生んでしまった。地震の爪痕はまだ現地に残っていて、震災から立ち直れない人も少なくない。

  しかし2011年に東日本大震災が起きてからは、被災地以外では阪神淡路大震災への関心は遠ざかってしまっているように見える。  じつは阪神淡路大震災のときにも、津波が大災害を生んだ北海道南西沖地震(1993年)への国民の関心は遠ざかって、現地は忘れられてしまった。  冷酷だが、これが地震多発国の現実なのである。

○ところで、この阪神淡路大震災を現代の目で見直すことは、将来の日本の震災を考えるうえで大事なことだ。
  ひとつのポイントは、その5年後の2000年に起きた鳥取県西部地震だ。同じマグニチュード(M)7.3、同じ深さで起きた内陸直下型地震。こちらは誰もなくならず、現地の人には申し訳ないが約180人の怪我人と全壊家屋約400棟だけですんだ。同じ大きさの地震が襲ってきても、これだけ違う。これは地震がどこを襲うかの違いだ。都会は地震に弱い。  もし、この大きさの地震が東京や大阪を襲ったら、その被害は阪神淡路大震災の比ではないかもしれない。

○地震は自然現象だ。日本人が日本列島に住み着く前から起き続けてきている。
 一方「震災」は自然現象である地震と、人間が作った社会の交点で生まれる社会現象だ。社会が大きくなって、それゆえ弱くなれば、震災は大きくなる運命にある。
  もうひとつのポイントは、阪神淡路大震災が起きる前、1970年代後半から「東海地震」がクローズアップされていたことだ。  東海地震を予知する組織が気象庁に作られて、予知警報に対応する法律まで成立していた。このため「大地震の前には予知の警報が出る。  次に起きる大地震は東海地震に違いない」と国民に刷り込んでしまっていたのであった。

○しかし、次に襲ってきたのは東海地震ではなく阪神淡路大震災だった。
  その後も、新潟県中越地震(2004年)福岡県西方沖地震(2005年)、能登半島地震(2007年)、新潟県中越沖地震(同)、岩手・宮城内陸地震(2008年)、そして2011年の東日本大震災。

  東海地震でもないし、その他政府がマークしていなかったところで大地震が起き続けている。現在の地震学のレベルでは、次に大地震がどこを襲うかは、まったく予想できないのだ。
  南海トラフ地震や首都圏直下型地震がクローズアップされているなかで、予想もされていないところで「次の大地震」が起きて大きな震災になってしまう可能性は、決して低くはないのである。                         (1月17日「夕刊フジより」)

・・・
<都知事選>脱原発候補者の一本化断念 実現する会
 東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)で「脱原発都知事を実現する会」は20日、これまで進めてきた脱原発候補者の一本化を断念し、元首相の細川護熙(もりひろ)氏(76)を支持すると表明した。「苦渋の選択だが、脱原発候補を当選させるにはこれしか方法がない」。同会の共同世話人、河合弘之弁護士は都内で開いた記者会見で、険しい表情を見せた。

 15日に発足した同会は脱原発運動をけん引してきたルポライターの鎌田慧(さとし)氏や作家の瀬戸内寂聴氏、ピースボート共同代表の吉岡達也氏ら計31人が参加。細川氏と前日本弁護士連合会会長、宇都宮健児氏(67)の両立候補予定者に話し合いによる一本化を申し入れたが、宇都宮氏側からは15日に「オープンな場で討論し、有権者に判断していただきたい」、細川氏側からも17日に「いかなる政党、団体からも支援を受けない。ただしそれぞれの立場で脱原発の志を理解し応援してもらえれば幸い」と回答があり、断念した。

 同会は細川氏支持を決めた理由を「『脱原発を最優先する』と明らかにしている」「宇都宮氏は脱原発を他の施策と並列させ、優先度が低い」などと説明。都内に事務所を設置し「勝手連」として細川氏を支援する方針という。 (中略)
 一方、宇都宮氏は実現する会の決定に「そういう判断をされたならやむを得ない。ただ脱原発を本当に実現できるか見極めてほしい」「選挙では分かれても選挙後は水に流すべきだ」などと語った。  (後略)    (1月20日 毎日新聞より)

2014年1月21日火曜日

緊急要請 「トルコへの原発輸出に道開く原子力協定に反対を!」

緊急要請 「トルコへの原発輸出に道開く原子力協定に反対を!」
<第二次提出>

皆様

24日に開会予定の通常国会ではトルコへの原発輸出の道を開く日トルコ原子力協定の批准手続きが進められようとしています。

トルコは地震国であるにも関わらず建物やインフラの耐震補強は進んでいません。地元自治体であるシノップ市長も原発建設に反対している中では、住民避難計画の適切な策定・実施も困難です。放射性廃棄物の処分の目途も立っていません。

そこで、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、国際環境NGO FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)、メコン・ウォッチ、ピースボートでは、緊急要請「トルコへの原発輸出に道開く原子力協定に反対を!」<第二次提出>への賛同を呼びかけ、国会議員(両院議長、衆院外務委員、参院外交防衛委員)に提出しました。

日本語
http://www.jacses.org/sdap/nuke/letterjp20140121.pdf

英語
http://www.jacses.org/en/sdap/nuke/letteren20140121.pdf

第1次提出(2013年11月29日)と合わせて、142団体・個人3270名、うち海外1805名の署名を集めることができました。署名頂いた皆様、ありがとうございます。

なお、1月22日には、緊急セミナー「税金づけの原発輸出~25億円の報告書は何処に?」が開催され、トルコへの原発輸出の問題についても議論予定です。
http://www.foejapan.org/energy/evt/140122.html

よろしくお願いします。

「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
田辺有輝
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みなさん

トルコの反原発団体NKP、トルコ反原発連合(Antinuclear Alliance of Turkey)より、先日1月22日にイスタンブール日本領事館前で行われた日トルコ原子力協定の日本での国会承認に反対するデモの映像が届きましたので、共有させて頂きます。
http://www.haberler.com/japon-vekillere-sinop-topragi-gonderdiler-5576914-haberi

デモ隊の代表者は日本領事館職員と面会することができ、日本の国会議員に対して日トルコ原子力協定の否決を求める公開書簡とシノップの「汚染されていない土」を手渡したとのことです。

デモの様子は以下の写真で見ることができます。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=511134025666277&set=pcb.511134422332904&type=1&relevant_count=1
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=511133985666281&set=pcb.511134422332904&type=1&relevant_count=2

また、トルコの英語メディアでも報道されています。
http://www.habermonitor.com/en/haber/detay/nuclear-protest-in-front-of-the-consulate-gen/271027/
2014年1月24日
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
田辺有輝

2014年1月16日木曜日

『福島と生きる』メールマガジン 特別号 No.5-1 黒田節子さん(原発いらない福島の女たちの会)インタビュー

『福島と生きる』メールマガジン 特別号 No.5-1
――息長く〈福島〉とつながり続けるために――
2014年1月16日発行(不定期刊)
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インタビュー
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黒田節子さん(原発いらない福島の女たちの会)
――「しびらっこく、なィ」 福島の状況は危機的 でも決してあきらめません
※「しびらっこく」はしたたかに、粘り強く、あきらめないという意味の福島県の方言

パート1
<目次>

 I 「原発いらない福島の女たちの会」の過去2年の活動を振り返って
 II 福島の状況は危機的


I 「原発いらない福島の女たちの会」の過去2年の活動を振り返って

Q1  2011年秋の女たちの座り込みから2年。「原発いらない福島の女たちの会」(「女たち」http://onna100nin.seesaa.net/)は全国的に活動を展開し、反原発運動の牽引役になりました。この2年間の成果や変化、福島県内での受け止められ方についてお聞かせください。

 黒田    2011年秋に華々しく「デビュー」して、「女たち」の活動は大成功を収めました。外部から大きな期待が寄せられる半面、「女たち」のメンバーは謙遜というか、あまり自分たちの活動を誇示したくないという傾向が強いです。でも私個人は、客観的に見て「女たち」が果たすべき役割があると最初から思ってきました。県内では、県外からの熱い視線と比べると相当な温度差があるのは事実ですが、それはそれでいいかな、と思います。

 嬉しいことに、これまで表立って「女たちの会」のメンバーだと名乗ってこなかった人が、最近では名乗るようになっています。期待に応えなくては、自分がやらなくては、という自覚が強まってきたということでしょうか。
 「女たち」のユニークな点のひとつは、それぞれがやりたいことやできることをやっていこう、そしてそれをなるべく保証し合おうというスタンスを持っていることです。取り組むべき課題はいくつもあります。

 具体的には、子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク(子ども福島)(http://kodomofukushima.net/)、疎開裁判(http://fukusima-sokai.blogspot.jp/)、国・東電の責任を問う告訴団(http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/)、被曝労働や福島にやってくる国際原子力機関(IAEA)、焼却炉の問題、全国各地での福島報告や抗議行動に参加など、それぞれが今できることをしています。
 その上で年に数回、「女たち」の主催で何かしらのイベントや行動にとりくんでいます。今年の3・11も去年設立された東京の「スリー・ノンの女たち」という女性グループと、共同でとりくみを企画しています。

 福島県内では、確かに、大多数の人が「原発はこりごりだ」と思っていますが、そこに安住しているだけでは足りません。基本的には子どもたちの命と健康問題をどうするのかという点で発言していかなくてはなりませんし、それには「女たち」の発言の場も増やしていかないといけません。
 「3a(スリー・エー)郡山」(http://aaa3a.daa.jp/)など、若いお母さんたちのグループがいくつかできています。

 そんな中で「女たち」がどんな役割を果たすのか、これから大事なところになるのかなと思います。若いお母さんたちは、自分の子どもを守りたいというところからスタートしているわけですが、「女たち」は原発問題を出発点にしながら、子どもや自分の命を守るためには社会を変えなくてはいけないし、それには結局一人一人の生き方もまた問われている、ということに気付き始めたのではないでしょうか。

 メンバーは皆「身体が動けるうちは、精一杯声をあげていなくちゃ」という覚悟をもっています。中には、一緒に暮らしていた孫を遠くに避難させた人もいます。その悲しい思いを活動にぶつけながらやっているんです。自主避難した人たちもいます。自主避難者がおかれた厳しい状況を考えると、それは原発問題を超えて、いまの日本が抱えるさまざまな問題に直結していると思います。


II 福島の状況は危機的

いますぐに健康対策を
黒田 2013年12月21日、白河市で開かれた「第3回放射線の健康影響に関する専門家意見交換会」(http://www.nsra.or.jp/safe/adviser/)に参加しました。これは環境省と福島県が福島県と県内の市町村の放射線アドバイザー向けに開催しているもので、この日のテーマは甲状腺。講師は福島県立医科大学の鈴木眞一氏と、岡山大学環境生命科学研究科の津田敏秀氏でした。

 講義のあとアドバイザーとの質疑応答が行われたのですが、「この数字をどう理解するか」という難しい数学のような議論が大半を占めていました。津田氏は統計学の専門家ですが、「福島はそんなことを言ってる場合じゃない。チェルノブイリの例などから、あと1年から3年で甲状腺ガンが爆発的に増えるからそれに備えるべき。どういう対策を講じるかをこの場で議論すべきだ」と強く主張していました。まったくその通りです。

 ところが対策についての話は最後の3分間だけです。傍聴者から「市民の方がよく分かってるぞー!」というヤジが飛んだほどです。傍聴者は40人ほどでしたが、それでも1、2回目に比べると多い方だったそうです。
 数字をめぐってああだこうだと専門的な議論をするだけで、国や県は私たちの不安に何も応えていません。アドバイザーの7、8割は放射能のせいでこうなったことを言いたくないと思っているようでした。傍聴者の市民には発言権がありません。せいぜいヤジを飛ばすぐらいです。住民の不安に応えるというより、まったくアリバイ的なものだと感じました。本当に危機的です。

Q  政府の方針では、今後、福島にとどまっている人、帰還した人に個人用線量計バッジを着けさせることになっています。

黒田  すでに子どもが線量計バッジを付けていますが、着け忘れがあったりして正確に測れないことが指摘されています。個人線量計を着けさせるのは、あからさまな個人への責任転嫁です。数年後には、健康被害を訴える人の数が爆発的に増えるでしょう。それに対する対策は、すでにもう遅いのですが、とにかくすぐに立てることが必要です。

 あまりにたくさんのことが必要なので「これだけやっていればいい」というこことではありませんが、やはり、移住者にも支援を行うことを謳った「子ども・被災者支援法」(注1)を、骨抜きではなく本来の中身をつけて早急に実施させることが大事です。
※注1: 支援法の内容、最近の動きなどは以下を参照。http://shiminkaigi.jimdo.com/


情けない議会と市町村の対応――自主避難をめぐって

Q  国が去年12月に打ち出した「福島再生加速化」指針は、
①移住支援の対象は原則として帰還困難区域の住民(自主避難者は対象外)、
②避難指示解除直後の早期帰還者に賠償上乗せ、という帰還促進を基調とするものでした。

黒田  すでに自主避難した人たちと、避難したいのにいろいろな事情から避難できない人たちへの方策が、まったくありません。せっかく「子ども・被災者支援法」ができたのに、なおざりにされ、骨抜きにされています。「女たち」でも自分の住む市町村に対して、支援法の実施を求める意見書を出すように請願してきました。

 でも、市町村の対応は情けないです。郡山市議会では2票差で否決されて意見書提出にいたりませんでした。議会では市民派の議員は少数派ですし、野党も含めた既成政党は本当に情けないです。社民党も共産党も「避難」の「ひ」の字も口にしません。多くの市民は避難について「そこまではちょっと・・・」という感覚をもっています。そこで避難を主張すると浮いた存在になる、つまり次の選挙に差し障ると考えているのだと思います。

 だからこそ、国が率先して「国が支援するから避難したい人は避難してください」と言わないと、市議会からそういう動きが出る状況にはないのです。地方議会では、よほどのことでない限り、国に逆らってまで意見を言うことはありません。そこが情けないです。

 市町村が住民を避難させたくないことを示すエピソードがあります。住民票を郡山市においたまま母子で避難している人たちが、避難先の自治体で子どもを保育園に入るために必要な書類に郡山市のハンコが必要なのに、市の方で押してくれない、というケースが複数ありました。
 それを聞いた「女たち」のメンバーが一緒に市役所の窓口に行って交渉した結果(議員の後押しも加わり)、ようやくハンコを押させました。それくらい、住民が外に出るのを渋るんです。
 こういうことが国策の下、行われているのです。一人一人の職員はいい人でしょうし、若い職員は自分でも子どもを抱えて不安に思ってはずなのに、立場上そうするしかないと思っているのでしょう。

Q  自主避難者が、たとえば仕事が見つかったので職場の近くに引っ越したい場合、住宅の借り換え支援は認められていません。新規の避難者に対する住宅支援はもう打ち切られてしまいました。こうした自主避難者が抱える住宅の問題について、たとえば郡山市議会が何らかの形で動いたことはあるのですか?

黒田  いいえ、聞いたことがありません。自主避難した人たちは少数派ですから、とにかく一生懸命せっつかないと議員はなかなか動いてくれません。 

Q  早稲田大学の辻内琢也氏によれば、避難者の中でも「帰れない」と予測し、「帰らない」と考えている人々の精神的ストレス度が最も高いと考えられるとのことです(注2)。だからこそ「帰還する権利」とともに「移住する権利」を認めるように法的整備をする必要があると述べています。
※注2: 「深刻さつづく原発被災者の精神的苦痛――帰還をめぐる苦悩とストレス」『世界』臨時増刊号第852号(2014年1月)

黒田  確かに、県外の見知らぬ土地に突然移り住むことになれば、仕事にしろ、近所付き合いにしろ、県内に住むよりもずっと大変だと思います。福島にいるときは活躍していたのに、移住した後ふさいでいる人もいると聞いています。私の元同僚に母子で遠方に避難した人がいますが、精神的にひどく参っていました。また、お母さんのそういう姿を見て、小学生の子どもが泣くのだそうです。だからせめて生活基盤を整える支援と、「お元気?」とちょっとでも声を掛けてくれるような人的支援が必要なんです。

(パート2につづく)
(2013年12月23日のインタビューをもとに構成。
インタビュアー/文責:『福島と生きるメールマガジン』)

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『福島と生きる』 メールマガジン特別号 No.5-1
(2014年1月16日発行)
※『福島と生きる』メールマガジンは、『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』の共同執筆者の団体や活動の関連情報を発信していきます。

発行人=中野憲志・藤岡美恵子 (『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』共編者)

2014年1月6日月曜日

「武器輸出三原則緩和の是非~徹底討論!一政祐行・川崎哲~」(2/4 東京)

武器輸出三原則緩和の是非~徹底討論!一政祐行・川崎哲~」(2/4 東京)
http://aacs.blog44.fc2.com/blog-entry-122.html

 現在、日本政府は、武器の輸出を原則として禁じてきた「武器輸出三原則」を緩和し、「日本の安全保障に資する場合」などに限って、輸出後の「適正な管理」を行うこと(未許可の第三国移転の禁止など)を条件として、輸出を認めるとする新たな原則を策定しようとしています。ただし、こうした条件の基準は必ずしも明らかではありません。
 「武器輸出三原則」の緩和により、日本の防衛産業競争力の向上が期待されている一方で、同三原則が日本の平和国家としてのイメージを象徴してきたことも確かです。
 今回の会合では「武器輸出三原則」の緩和の是非について、防衛研究所の一政祐行氏と、ピースボートの川崎哲氏をむかえて、あらためて徹底討論します。皆様のご参加をお待ちしております。

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「武器と市民社会」研究会第33回会合
武器輸出三原則緩和の是非~徹底討論!一政祐行・川崎哲~

【日時】2014年2月4日(火)19:00~21:00(18:30開場)
【場所】拓殖大学海外事情研究所F館301教室
【住所】〒112-8585東京都文京区小日向3-4-14
会場までの地図などの詳細は、以下リンクをご覧ください。
http://aacs.blog44.fc2.com/blog-entry-122.html

[報告・討論]
・一政祐行(防衛研究所主任研究官)
・川崎哲(ピースボート共同代表)

[司会]森山隆(雑誌編集者)
【主催】「武器と市民社会」研究会
【後援】特定非営利活動法人オックスファム・ジャパン
【参加費】 無料

【参加方法】
事前登録制です。
2014年2月3日(月)までに、以下の参加登録フォームにアクセスいただき、ご記入・送信ください。
https://docs.google.com/forms/d/1ksJURQJcKaYFHwAmE4YkbKlAhI2B0gQP2_T_jSqyDwQ/viewform
※定員(60人)に達した時点で締め切りとさせていただきます。
【お問い合わせ先】
研究会共同代表にご連絡ください。
http://aacs.blog44.fc2.com/blog-entry-2.html

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【会合の趣旨】
■現在、日本政府は、武器の輸出を原則として禁じてきた「武器輸出三原則」を緩和し、「日本の安全保障に資する場合」などに限って、輸出後の「適正な管理」を行うこと(未許可の第三国移転の禁止など)を条件として、輸出を認めるとする新たな原則を策定しようとしています。ただし、こうした条件の基準は必ずしも明らかではありません。

■2011年末にも野田内閣の下で、「武器輸出三原則」の一部が緩和されました。具体的には、
①平和貢献・国際協力に伴う案件は、防衛装備品の海外移転を可能とする、
②目的外使用、第三国移転がないことが担保されるなど厳格な管理を前提とする(目的外使用、第三国移転を行う場合は、日本への事前同意を義務付ける)、
③わが国と安全保障面で協力関係があり、その国との共同開発・生産がわが国の安全保障に資する場合に実施する
――とする内容の官房長官談話が発表され、これにより、日本がより広く、武器の国際共同開発・生産に参加できる道が開かれたと言われています。

■現在、海上自衛隊に配備されている救難飛行艇「US-2」の輸出に向け、インドと調整が進められているほか、F35の共同生産、化学防護服の共同研究に関する英国との合意、フランスとの共同開発の検討、潜水艦技術をめぐるオーストラリアとの協力の模索などの動きが見られます。また、トルコと戦車用エンジンの共同開発も検討されています。

■「武器輸出三原則」の緩和により、日本の防衛産業競争力の向上が期待されている一方で、同三原則が日本の平和国家としてのイメージを象徴してきたことも確かです。今回の会合では「武器輸出三原則」の緩和の是非について、あらためて徹底討論します。

【登壇者紹介】
●一政祐行(いちまさ・すけゆき)
防衛研究所政策研究部防衛政策研究室主任研究官。
(財)日本国際問題研究所研究員を経て現職。専門は軍備管理、軍縮、不拡散、安全保障論。主な論文に「近年のWMD拡散・CBRN脅威の動向と主要国の対応に関する考察」『防衛研究所紀要』2013年(共著)、「軍備管理・軍縮における戦術核問題」『国際安全保障』2013年、「変化する抑止力の概念と『核兵器のない世界』に向けた日本の安全保障政策への一考察」『軍縮研究』2012年など多数。

●川崎哲(かわさき・あきら)
ピースボート共同代表。ピースデポ事務局長を経て2003年より現職。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)共同代表。2008年5月の「9条世界会議」日本実行委員会事務局長。2009~10年、日豪両政府主導の「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」でNGOアドバイザーをつとめた。恵泉女学園大学非常勤講師。
著書に『核拡散』(岩波新書)、論文に「危うい防衛論議:今こそ平和国家の理念を語れ」『世界』2011年2月号など。

●森山隆(もりやま・たかし)
国際基督教大学大学院博士課程中退。専門は軍縮、軍備管理、不拡散に関する国際法規制。2007年、英国国際戦略研究所(IISS)勤務。現在、雑誌編集者。安全保障輸出管理実務能力認定証取得者。