2011年3月17日木曜日

米軍は日本を守らない---「日米安保という虚構」

米軍は日本を守らない---「日米安保という虚構」

4月
原子力空母 異例の出入港 放射線量と関連性?
 横須賀市の米海軍横須賀基地を拠点とする原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)が二十日、洋上での修理を経て帰港した。定期修理中の先月二十一日に同基地を急きょ出港して以来、一カ月ぶりの横須賀入り。今回の異例の出入港を分析すると、福島第一原発事故後、同市内で計測された放射線量との関連性が、浮かび上がってくる。 (東京新聞・新開浩)

 同原発事故の後、同市内で計測された最大の放射線量は、先月十五日の〇・二一マイクロシーベルト。通常値は〇・〇三マイクロシーベルト前後だが、翌十六日も〇・一八マイクロシーベルトだった。 これを受け、横須賀基地の米海軍は同十七日、優先順位を(1)軍人らの家族(2)任務に影響しない軍人(3)任務に不可欠な軍人-の三段階に分けた避難計画に着手。同十九日には、空母が翌二十日昼に出港すると日本側に通知した。
 しかし、米海軍は空母の出港予定を翌二十一日朝に延期した後、同日朝には「出港日未定」に再変更。結局、同日午後一時すぎに急きょ出港させる、不可解な動きをみせた。 この間、横須賀市内の放射線量は徐々に低下し、「出港日未定」となった二十一日早朝には、通常値に近い〇・〇五マイクロシーベルトまで減少。しかし、午前十時ごろから上昇し、空母出港の昼前後には〇・一五マイクロシーベルトとなった。
 市内の放射線量は先月二十三日の〇・一八マイクロシーベルトをピークに減少を続け、今回の帰港前には、〇・〇七マイクロシーベルト前後まで低下した。 こうした放射線量と空母の動きとの関連性を、裏付ける発言もある。
 米海軍制服組トップのゲーリー・ラフェッド作戦部長は、米通信社ブルームバーグの取材に対し、GWから放射性物質が漏れたと誤解されるのを避けるため、「放射線で汚染される可能性のある場所から、空母を退避させようと考えた」と説明した。 米軍基地監視団体リムピースのメンバー頼和太郎さんは「空母艦上で高い放射線量が計測された場合、安全確認のため、修理中の作業員を退避させる必要が生じる」と指摘。「それでは作業がはかどらないので、空母を出港させ、洋上での修理に切り替えたのではないか」と分析している。

4/6
 オバマ政権が、米軍の「トモダチ作戦」の「予算」が最大で8000万ドル(約68億円)であることを日本側に伝えたという。「両政府は予算が超過した場合に備え、日本側の負担割合も含め、対応の協議に着手した」(読売新聞)。 予算は米国防総省が「人道支援費」として計上したらしい。大震災発生直後、最大3500万ドル(約30億円)を充当する意向を米国側は表明していたが、「作戦の本格化」に伴い予算上限が約2・3倍に引き上げられたという。
 米国にとって「日米同盟」と「日米安保」のプライス/コストは「68億円」ということか。しっかり記憶しておこう。

 一方、米国防総省のモレル報道官が5日の記者会見で、大震災を受けた日米両政府の協力に関し「この危機が日米両国を試し、(結果として)同盟はより強固になった」と述べたという(共同)。
 「救援物資輸送などの拠点となった原子力空母ロナルド・レーガンの同作戦における任務終了を認めつつ「困難に直面する日本への支援を減らすことはない」と強調したらしいが、「困難に直面する日本への支援」の上限は、68億円である。何と安っぽい「同盟」であることか。
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米軍専門部隊が来日へ 緊急事態に備え140人*2011.3.31
 防衛省の折木良一統合幕僚長は31日の記者会見で、福島第1原発事故の緊急事態に備え、放射線管理に精通する米軍の専門部隊の約140人が近く来日すると発表。 米側は既に先遣隊9人を送り込み、原発を冷却する真水を運ぶ台船2隻を提供。本隊の派遣に踏み切ることで、事態収拾への日米の共同対処が本格化する。(⇒確かに、「事態」はいまだ極めて深刻だが、非常事態発生後3週間目にして「緊急事態に備え」?「日米共同対処」?)
 会見で折木統幕長は「あくまでも緊急事態対応で、そうならないよう願っている」と強調。 同省などによると、専門部隊は米メリーランド州の基地を拠点とする海兵隊の特殊部隊で約450人が所属。(1)化学(2)生物(3)放射性物質(4)核(5)爆発物-の英語の頭文字から取った「CBRNE(シーバーン)」攻撃などへの対処が任務で、放射性物質の探知、識別、除染のほか、被ばく患者の治療などの能力を備えている。

 私が今回の「事態」で理解したのは、ありえない話だがもしも万一、日本がどこか匿名の国、あるいは「テロリスト」によって「核攻撃」を受けたとしても、米軍は被曝・放射能汚染を怖れて、少なくとも3週間程度は「事態」を「静観」しているだろう、ということだ。これが、他のどの国よりも先駆け、真っ先に米国に「支援」を政府が要請した結果である。「日米同盟」主義者や安保・在日米軍支持派の人々は、もう少し深刻にこの「事態」を受け止め、米国や米軍の本質を直視するようにしたほうがよいだろう。

米軍無人偵察機の映像公開しない???
 北沢防衛相、30日の参院外交防衛委員会で、米軍無人偵察機グローバルホークが東京電力福島第1原子力発電所の上空から撮影した映像について、「公開に主眼を置いているのではない」と述べ、映像を公開しない考えを示した。在日米軍から軍事機密にあたらない映像などの公開にも否定的な立場を伝えられたことも理由とした。 日本側は17日から同機が撮影した映像などの提供を受けている。映像は東京・市谷の防衛省に設けた日米共同調整所や首相官邸に送られ、原発事故への対応策の検討に活用されている。
 米軍は当初、自国のためのデータ収集を目的としていたが、防衛省・自衛隊内で高度な情報が得られるため映像提供を求めるべきだとの声が高まり、米側に要請。さらに、映像公開により、災害派遣でも同機の偵察能力が有効であることを国民に示し、同機の自衛隊への導入に弾みをつける狙いもあった。 だが、北沢氏は「(同機の)映像が特段優れているわけではない」???とも答弁し、映像の有用性を否定した。昨年12月に閣議決定した「防衛計画の大綱」で導入が見送られたのも、「政務三役が消極的だった」(防衛省幹部)のが一因とされている。(産経)
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「防衛計画の大綱で導入が見送られた」ことと、国家的非常事態における情報非公開の問題は、まったく別次元の問題だ。で、産経新聞や読売新聞はこれに対し、米国・米軍に対し、どのような立場を取るのか? 何の論評もないのはなぜか? いずれにしても「自国のためのデータ収集を目的」というくだりが米軍の本質を知る「ミソ」である)

自民・河野太郎氏、日米安保めぐる民主の矛盾批判
 自民党の河野太郎氏(衆院15区)は30日の衆院外務委員会で、在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)の国会承認など日米安保をめぐる民主党の対応が野党時代と現在で矛盾することを指摘。河野氏は「かつて自身が政府に要求したことを何一つやっていない」と批判。 河野氏は、野党時代にさまざまな変更を求めていた思いやり予算、反対していた在沖米海兵隊の移転に関するグアム協定、米側に改定を提起するとした日米地位協定などを挙げ、具体的に取り組んでいない点を問題視した。
 当時の民主党の主張と矛盾したまま新たな思いやり予算を示したことについて、松本剛明外相が「光熱水費、労務費の負担などで改善させていただいた点がある」と説明すると、「その程度の改善でよかったのか」と河野氏が声を荒らげる場面もあった。
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3/17

 ペンタゴンが、福島第1原子力発電所の半径80キロ圏内への米軍の立ち入りを禁止した。つい先ほどのことだ(現地時間の16日)。10キロでも、20キロでもない。80キロ!だ。 日本政府の要請があった場合には、禁止措置を「適用外とすることも検討する」。しかし、現時点では日本政府から福島原発現場への米軍出動要請は受けていないという。

 報道によると、福島第1原発への対処としてこれまで米軍は、消防車2台を「提供」しただけだ。日本政府は、さらに「高性能のポンプや高圧ホース」を求めているというが、なぜこんな「核有事」に直面しながら、民主党政府は米軍に現場への出動を要請しないのか? 
 米軍はなぜ、自発的に支援を申し出ないのか? 日米「安全保障」条約に基づく日米「安保」体制が、そういう「体制」ではないからだ。日本の〈安全〉を〈保障〉するものではないからである。

 この現実から「日米安保なるもの」の実態が透けて見えてくる。
 米軍は「有事」の際に、日本を守らない。 日米安保は虚構、フィクションなのだ。
 米軍は日本が「核有事」に直面しているときに、私たちが他のどこからでもない自国の核爆発に脅えているときに、ポンプとホースを「提供」するだけなのである。

 この安保のリアリティをどう考えるか。「右翼」も「左翼」もない。「保守」も「リベラル」もない。「日本の安全保障と防衛のために、安保の無期限延長と米軍の無期限駐留は必要不可欠」と主張してきた人々は、今一度自説を問い直すべきではないか。 
 「反日」や「反米」もクソもない。もういい加減、私たちは目を覚ますべきではないのか。

⇒『日米同盟という欺瞞、日米安保という虚構
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 この問題に関連し、朝日新聞・ワシントン在住の勝田敏彦なる人物が、「日米で違う避難範囲 考慮する条件で差 冷静な行動を」という記事を書いている(ネットで間もなく読めなくなるから注意)。
 この記事に対し、今日私が書いた文章は「辛辣すぎる」という意見があった。私はそうは思わないが、説明を補足し、記事の問題点を整理することにした。

 まず、この記事が誰に対して、何を訴えようとしているのかがわからない。米国政府が滞日米国人の立ち入り禁止域を80キロにしたことで、日本にいる誰かがパニックを起こし「冷静な行動」を取らなくなる、そうこの記者は考えたのだろうか。まったくのお門違いである。
 事態の推移を見て、米国が80キロ設定をしたこと、それ自体は正しい判断なのであって(あるいはシンガポールのように100キロ、それ以上にすべきだったとさえ言える)、いまだに20キロ内避難、30キロ内屋内避難政策を続け、避難域を拡大しようとしない日本政府こそが責められるべきなのである。

 「原発事故報道」をする日本のすべてのメディア、記者、キャスター、「解説」に出てくる「原子力問題専門家」は、なぜ一言もこのことを指摘しないのか、なぜ民主党政府の対応の無茶苦茶さを批判しないのか。
 現場の映像を観て、新聞を読んで、人づてに状況を聞いて、生命の危機を感じない者がいるだろうか。この状況の中で、いったい誰が県内に留まりたいと思うだろう。政府の無策、マスコミや「専門家」の能天気のせいで、人々は国、県、自治体からの何の支援も受けることなく自力で福島県を脱出しているのである。残っているのは、諸々の事情によって脱出したくとも、できない人たちばかりだろう。

 このような高まるばかりの現地の不安感と危機感を理解する想像力と感性を、この記者は持たない。日本政府の対処のあり方を批判するのではなく、それを良しとした上で、犠牲者に説教を垂れているのである。

 二点目の問題は、滞日米国人の民間人と米軍の違いに関する無理解である。なぜ「有事の際に日本を守る」ために基地を持ち、駐留しているはずの米軍が、今回のような戦後最大の日本の「平和と安全」の危機、「核有事」において、日本を、自衛隊の活動を、直接かつ物理的に支援しないのか。

 民間人と同様に、被曝を恐れて現場に駆けつけないのであれば、米軍は何のために日本に基地を持ち、駐留しているのか。 何のために日本の納税者は、毎年数千億の血税を米軍駐留のために払っているのか。 何のために米軍のグァム移転のための金を払わねばならないのか。
 現場作業員よりははるかに低い数値基準ではあっても、放水作業を行う自衛隊員も被曝の危険を冒しているのであり、なぜ米軍はその自衛隊と「日米共同作戦」を福島原発の現場で展開しないのか。 日本の「核有事」に際し、物品提供だけで身を挺して共に戦おうとしない在日米軍とは、いったい何のために存在するというのだろう。

 冷戦崩壊を機に、安保容認から積極的支持派へ、日米同盟主義者へと変質した朝日新聞編集部とともに、この記者が問わねばならなかったのは、以上のような問いではなかったか。
 「「避難範囲が広がった」と驚くことなく、冷静に行動することが求められる」というこの記事の結語は、あまりにも空疎・無内容であり、誰にも届くことのない言葉なのである。

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米軍、福島第1から93キロ圏内の立ち入り禁止 
 米国防総省のラパン副報道官は16日、東日本大震災に伴う福島第1原発事故を受け、米軍が同原発から半径50カイリ(約93キロ)!!!圏内への米兵の立ち入りを原則として禁じていると明らかにした。
 日本政府は国民に同原発から半径20キロ圏内からの避難を指示し、在日米大使館は米国民に80キロ圏内からの避難を勧告しているが、米軍はより慎重な対応を取ったとみられる。
 ただ、支援活動のために圏内に入る可能性はあるという。(⇒ない。あったとしても、すでに意味なし。3/23) 在日米軍は空からの状況把握のために無人偵察機グローバルホークも展開中。在沖縄米海兵隊の第31海兵遠征部隊(31MEU)は強襲揚陸艦エセックスなど3隻で日本海側に到着。(共同)

在日米軍家族、本州退避へ=放射能検査も実施
【ワシントン時事】米国防総省は17日、福島原発事故を受け、日本の本州に駐留する米軍の家族について、退避を許可すると発表した。また、ロイター通信によると、ナポリターノ米国土安全保障長官は同日、記者団に対し、日本からの乗客・貨物の放射能検査を行うと述べた。

原子力専門部隊、派遣準備ある~米軍司令官
 3月22日 アメリカ・ウィラード太平洋軍司令官は21日午後、自衛隊のトップである折木統合幕僚長と会談し、日本から要請があれば原子力の専門部隊を派遣する準備があることを明らかにした。アメリカ軍は東日本大地震の被災地沖に空母などを派遣し、救援物資の輸送などの支援活動を展開している。こうした中、会談でウィラード司令官は「450人の原子力の専門部隊がアメリカに待機している」と述べ、日本から要請を受けた場合、派遣する準備があることを明らかにした。(⇒「有事」勃発後、11日目にして、まだ米国に「待機」?)

原発影響での横須賀基地撤退を否定
 米国防総省のラパン副報道官は22日、福島第1原発の放射能漏れ事故を受け、米軍横須賀基地の海軍部隊全体が退避を検討しているとの米メディアの報道を否定する声明を出した。 ラパン氏は「在日米軍は長年の友人である日本のために、人道支援と救難支援を続ける」と強調。(⇒産経は「否定」と書いているが、原発事故「支援」をするとは言っていないことに注意。産経の情報操作の一例。「人道支援と救援支援」ならボランティアで十分)
 横須賀基地で整備中の原子力空母「ジョージ・ワシントン」は21日に同基地を出港、第7艦隊所属の指揮揚陸艦「ブルーリッジ」は長崎県沖での活動にとどまっている。国防総省が本州在住の米軍家族の自主的退避を許可するなか、一部米メディアは、福島第1原発の放射能漏れによる被爆を避けるため、米軍が日本から基地機能を移転させることを検討していると報じていた。 

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不満と恐怖地元限界 物資ストップ「見殺しに等しい」
河北新報 3月17日
 「このままでは見殺しだ」。東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で続く空前の危機に16日、福島県内の不安は極限に近づいた。屋内退避の指示が出た原発から30キロ圏内の自治体は極端な物資不足に陥った。自治体関係者らは「物流が止まった」「まるでゴーストタウンだ」と支援態勢に不満と怒りをぶつける。巨大津波に続き、迫る恐怖。放射性物質から逃れようとする人は、列島を横断して日本海側などへと向かった。

 原町区、小高区などに屋内退避指示が出ている南相馬市。 桜井勝延市長は「退避指示の影響なのか、医薬品も油も何も入ってこなくなった」と陸の孤島と化した現状を説明する。 市内には、東日本大震災の津波で行方不明になった家族を捜すため、被ばくの恐怖におびえながら残る人もいる。火葬の油も調達できず、遺体は腐敗しつつあるという。
 「住民に家にこもっていろというのは見殺しに等しい。国が命を守るというのは空文句だ」と桜井市長。「国や県は現地に足を踏み入れ、惨状を目の当たりにしたらどうか」と痛烈に批判した。 市の一部が30キロ圏内の田村市も16日、一気に食料などが入ってこなくなったという。ガソリンもなく、ボランティアらが歩いて高齢者の自宅を訪ね、世話をする状態だ。 冨塚市長は「国は原発が爆発したら何キロまでが危険かを明確に示し、危ないのなら受け入れ先を調整すべきだ。このままご飯がもらえないと、ここにいる人は死んでしまう」と訴える。 同じく市北部の一部が30キロ圏内に入るいわき市。市地域医療対策室の男性職員(48)は「実際はほぼ全市で屋内待避している。まるでゴーストタウンだ」と嘆いた。
 南相馬市の北隣、相馬市に退避指示は出ていないが、既に脱出した市民も多い。市内の男性(39)は「逃げられるものなら逃げたいが、ガソリンが底を突きかけている。まして避難所にいる知人らは逃げろと言われても逃げるすべがない」と表情を曇らせた。 原発から少しでも離れようと、県北部の福島市や伊達市に避難する人も増えている。伊達市では、地震による市内の避難者約800人に避難所からいったん帰宅してもらい、原発事故の避難者受け入れに切り替えた。
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